寒い季節になると毎日使う毛布。気が付くと「なんだかにおう…」「そろそろ洗いたいけど大丈夫?」と悩む人は多いはずです。
実は、毛布は自宅の洗濯機でも意外と簡単に洗えます。ただし、素材や電気毛布などタイプによって洗い方のコツがあり、間違えると縮みや型崩れ、最悪の場合は故障につながることも。
この記事では、毛布を自宅で洗濯する手順から早く乾かす干し方、電気毛布の正しい扱い方まで、初めてでも失敗しないポイントをわかりやすくまとめました。ふっくら清潔な毛布で快適に眠るために、今日から実践できるシンプルな方法を紹介します。
毛布を洗う前に知っておきたい基本ポイント
タグ表示で「自宅で洗える毛布」かどうかを必ず確認する
毛布を洗うときに一番大切なのは、端に付いている洗濯タグの確認です。ここには「洗濯機で洗えるか」「手洗いのみか」「水洗い不可なのか」など、素材ごとの扱い方が細かく記載されています。
特にアクリルやポリエステルなどの化学繊維は洗濯機で洗える場合が多く、家庭でのメンテナンスがしやすい素材です。一方で、ウールやカシミヤといった天然素材は、水に触れると縮みやすく、通常の洗濯では風合いが大きく変わってしまうことがあります。
このような素材は「中性洗剤で手洗い」「ドライクリーニングのみ」などの注意点が記載されていることが多いため、必ず確認しましょう。また、電気毛布の場合は洗えるものと洗えないものがあり、電源コードが取り外し式であるかどうかも重要なチェックポイントです。
タグ表示を見ずにそのまま洗ってしまうと、縮み、色落ち、毛羽立ちなどのトラブルが起きやすく、最悪の場合は使えなくなることもあります。まずはタグを読み、表示に合わせて適切な洗い方を選ぶことが、毛布を長持ちさせるための基本です。
洗濯機の容量と毛布のサイズが合っているかチェックする
毛布を自宅の洗濯機で洗う場合、まず確認したいのが「洗濯機の容量」と「毛布のサイズ」の相性です。洗濯槽に余裕がない状態で洗うと、水や洗剤が全体に行き渡らず、汚れ落ちが悪くなるだけでなく、毛布が偏って途中で止まる原因にもなります。
一般的な目安として、シングル毛布であれば洗濯機の容量は5〜6kg以上、ダブル毛布なら7kg以上あると安心です。厚手タイプや吸水性の高い毛布は、水を含むと重さが増えるため、さらに余裕がある容量が望まれます。また、洗濯槽の直径が小さいタイプだと毛布が巻き込まれやすく、ムラになったり、十分に回転しないこともあります。
サイズが大きすぎると、そもそも洗濯機に入らないこともあるため、無理に押し込むのは避けましょう。入れてみて「きつい」と感じる場合や、洗濯槽の3分の2以上を占めるときは、コインランドリーの大型洗濯機を使うほうが失敗しにくいです。洗濯機のスペースに余裕があると、洗い上がりがふっくらし、乾燥も早くなるため、仕上がりに差が出ます。
洗う前にホコリを落として折りたたむ準備をしておく
毛布は見た目以上にホコリや細かい繊維が付着しており、これをそのまま洗濯機に入れると、排水フィルターの詰まりやニオイの原因になることがあります。洗う前のひと手間として、まずはベランダや屋外で軽く毛布をはたいて表面のゴミを落としましょう。
マンションなどでは周囲への配慮が必要なため、粘着ローラーや掃除機の布団ノズルを使う方法もおすすめです。表面がきれいになったら、次に洗濯機へ入れやすいよう折りたたみます。一般的には「くるくる巻き」か「四つ折り」が扱いやすく、全体が均一に水を吸いやすい形になります。
偏りなくたためていると、洗濯中に片寄ってしまうのを防げるため、洗いムラや偏った振動の軽減にもつながります。また、洗濯ネットを使う場合は、この段階でネットに入れておくと扱いやすくなります。事前にホコリを取って整えておくことで、洗濯機への負担を減らしながら、仕上がりのふんわり感も損なわずに洗うことができます。
毛布を洗濯機で洗う正しい手順
洗濯コースと洗剤の選び方(手洗い・ドライモードの活用)
毛布を洗濯機で洗うときは、どのコースを選ぶかで仕上がりが大きく変わります。一般的には「毛布コース」や「手洗いコース」「ドライコース」が適しており、生地をやさしく揺らすように洗ってくれるため、毛羽立ちや型崩れを防ぐことができます。
これらのコースは水流が弱めに設定されているため、毛布の風合いを保ちながら汚れを落とせるのが特徴です。もし専用コースがない場合は、通常コースよりも負担が少ない「おしゃれ着コース」を選ぶのがおすすめです。
次に洗剤ですが、毛布は繊維の密度が高く洗剤が残りやすいため、液体タイプの中性洗剤が適しています。粉末洗剤は溶け残りやすく、ゴワつきの原因になることがあります。また、柔軟剤は使用するとふんわり感が増しますが、吸水性がやや落ちる場合があるため、好みに合わせて使い分けましょう。香りが強すぎないタイプを選ぶと、睡眠時も快適に使えます。
コースと洗剤を正しく選ぶことで、毛布の持ちを良くし、洗い上がりのやわらかさを保つことができます。
毛布の折りたたみ方と洗濯ネットの使い方
毛布をきれいに洗うためには、洗濯機に入れる前の折りたたみ方がとても重要です。大きく広がったまま入れると水流が偏り、洗いムラや脱水時のバランス崩れが起こりやすくなります。一般的におすすめなのは、毛布を縦に細長く折り、そのままくるくるとロール状に巻く方法です。
この「ロール巻き」は繊維全体に水が行き渡りやすく、洗濯中の片寄りも防げるため、仕上がりが均一になります。四角く畳む場合も、厚みが偏らないよう意識して折ると良いでしょう。また、洗濯ネットの使用は型崩れを防ぐうえでとても効果的です。大きめのネットに入れることで、水流が過度に当たるのを抑え、毛布の毛羽立ちを防止できます。
特にふわふわした素材やボリュームのある毛布は、ネットに入れることで繊維の絡まりを軽減でき、仕上がりがふんわりと整います。ただし、ネットが小さすぎると水が十分に通らないため、毛布がゆったり収まるサイズを選ぶのがポイントです。適切な折り方とネットを組み合わせることで、毛布全体が均等に洗われ、洗濯機への負担も軽減できます。
脱水は短時間にする理由と仕上がりを左右するポイント
毛布を洗う際、意外と重要なのが「脱水のかけ方」です。毛布は厚みがあるため、長時間脱水すると繊維が強く引っ張られ、形が崩れたりゴワつきが出やすくなります。特にアクリルなどの化学繊維は、長く回しすぎることで毛羽立ちの原因にもなるため注意が必要です。
おすすめの脱水時間は、洗濯機で30秒〜1分程度の“短時間”。これだけでも水分はしっかり切れるため、生地に無理な負担をかけずに済みます。また、毛布は水を多く含むと重くなり、脱水中に片寄って洗濯槽がガタつくことがあります。短時間に抑えることで片寄りを予防し、途中停止を減らす効果もあります。
もし脱水後に水分が多いと感じたら、毛布を手で軽く押さえて水を切ってから干すと、乾きもスムーズになります。さらに、脱水後はすぐに広げて形を整えることが大切です。畳んだ状態のまま放置するとシワが深く残り、乾いた後も取れにくくなります。短時間の脱水と形のリセットをセットで行うことで、ふんわりとした風合いを保ちながら、乾燥時間も短縮できます。
毛布を自宅で干すときのコツ

風通しを良くする干し方(M字干し・浴室乾燥の活用)
毛布を早く、そしてニオイ残りなく乾かすためには「風通しの良い干し方」が欠かせません。特に効果的なのが、物干し竿を2本使う「M字干し」。2本の竿に毛布をまたがせるように掛けることで、毛布の中央部分にも空気が入り、厚手の毛布でも内側までしっかり乾きます。厚い部分が密着しないため、湿気がこもりにくく、部屋干し特有の生乾き臭も防げます。
外干しが難しいときは、浴室乾燥機を使う方法もおすすめです。浴室は湿気を外へ逃がす設計になっているので、洗濯物が均一に乾きやすい環境です。浴室乾燥を使う際は、毛布の重みで下がりすぎないよう、ピンチハンガーやハンガーバーで複数箇所を支えると安心です。
また、サーキュレーターを当てると風が循環し、乾燥時間をさらに短縮できます。窓を少し開けて換気すると湿気がこもらず、より効率的です。ポイントは「空気を通し続けること」。どんな干し方でも、風の通り道を作ることで乾きが早くなり、ふんわりした仕上がりになります。
早く乾かすための工夫と湿気対策
毛布は厚みがあり水分を多く含むため、普通に干すだけでは乾きが遅く、生乾きのニオイが出てしまうことがあります。そこで役立つのが「乾かす環境づくり」。まず実践したいのは、干す前に毛布を軽く振って繊維を立たせ、空気が入りやすい状態を作ること。これだけでも乾燥スピードが変わります。
室内干しの場合は、サーキュレーターや扇風機を下から当てて、風の通り道を作るのがポイント。風を一方向からではなく、毛布の下・横・斜め方向と3方向くらいに当てると、内部までしっかり乾きやすくなります。また、湿度が高い部屋で干すと乾燥がかなり遅れるため、除湿機を併用するのが効果的です。特に冬は室内の湿度が上がりがちなので、除湿モードを使うだけで乾きがぐっと早くなります。
もし外干しするなら、日陰と日向を組み合わせると風通しがよく、毛布の負担も軽減できます。重要なのは「湿気をこもらせないこと」。風・湿度・温度をうまくコントロールすると、厚手の毛布でもふんわり気持ちよく乾かせます。
ニオイ残りを防ぐ乾燥後のひと手間
毛布をしっかり乾かしたつもりでも、収納したあとにふと嫌なニオイが立ち上がることがあります。これは、乾燥が不十分だったり、乾燥後の扱いで湿気を呼び込んでしまうことが原因です。そこで大切になるのが「乾燥後のひと手間」です。
まず、完全に乾いたと思っても、取り込んだあとにもう一度軽く振って繊維の間に空気を含ませ、残った湿気を飛ばします。この“仕上げの空気入れ替え”をするだけで、内部にこもる微量な湿気が抜け、ニオイの発生を抑えることができます。また、取り込んだ毛布はすぐに畳まず、30分ほど室内で広げて“余熱”や“残り湿気”を完全に飛ばすのも効果的です。
冬場はとくに冷えた収納スペースに入れると温度差で湿気を吸いやすいため、このワンクッションがとても重要です。収納するときは、密閉せずに軽く空気が通る状態にしておくと、こもりやすい湿気を防げます。防虫剤は匂いの強いタイプを避け、無香料や自然由来のものを選ぶと毛布の香りも保てます。
乾燥後のひと手間はほんの数分ででき、ニオイ対策としてはかなり効果が高いので、習慣にしておくのがおすすめです。
電気毛布を洗濯する方法
電気毛布の洗濯前に必ず確認すべきポイント
電気毛布は家庭でも洗えるものが多いですが、普通の毛布とは違い内部にヒーター線が通っているため、洗う前の確認がとても重要です。まず必ず見るべきなのは「洗濯表示」。洗濯機マークが付いていれば基本的に自宅で洗えますが、手洗いのみ、もしくは洗濯不可のタイプもあります。また、コントローラーや電源コードは必ず取り外す必要があります。
取り外せない構造になっている電気毛布は、そもそも自宅で洗う仕様ではないため、無理に洗うと故障につながります。次にチェックしたいのが、毛布自体に破れや損傷がないかどうか。内部の発熱線が傷んでいると、水に触れた際の故障リスクが高くなるため、目立つ損傷がある場合は洗濯を控えましょう。
さらに、長期間使っている電気毛布は温度センサーの劣化も考えられるため、取扱説明書を一度見直しておくと安心です。稀に経年劣化で洗濯NGに切り替わるメーカーもあります。電気毛布は丁寧に扱えば長く使えるアイテムですが、洗濯前のチェックが不十分だと故障の原因になってしまうため、必ず事前確認を習慣にしておくことが大切です。
やさしく洗うための手順と注意点
電気毛布を長持ちさせるためには、内部のヒーター線にできるだけ負担をかけない「やさしい洗い方」が欠かせません。まず、洗濯前にコントローラーとコードを外し、毛布全体を軽くたたんでホコリを落とします。
洗う際は、ネットに入れて折り目をゆるくし、発熱線が極端に曲がらないようにするのがポイントです。洗濯機を使う場合は「手洗いコース」や「デリケートコース」を選び、洗剤は中性洗剤を少量だけ。アルカリ性の強い洗剤や柔軟剤は、内部パーツを傷める可能性があるため避けたほうが安心です。
水温はぬるま湯ではなく必ず常温の水にし、温度差で生地が縮むのを防ぎます。また、長時間の洗いすぎはダメージにつながるため、洗い〜すすぎまで短時間で済む設定にすることが理想です。脱水は特に注意が必要で、長時間かけるとヒーター線が折れたり内部で片寄ったりするため、30秒〜1分ほどの短時間にとどめます。
手洗いの場合は押し洗いが基本で、揉んだり絞ったりすると内部構造を痛めるので厳禁です。丁寧な工程を守るだけで、電気毛布の寿命は大きく変わるため、毎回慎重に扱うことが大切です。
乾燥方法と故障を防ぐ扱い方
電気毛布を洗ったあとは、乾燥のさせ方がとても重要です。内部にはヒーター線や温度センサーが通っているため、誤った方法で乾かすと故障につながることがあります。まず、絶対に避けたいのが「乾燥機の使用」。高温に弱い構造のため、乾燥機に入れると発熱線が変形したり、センサーが壊れるリスクが高まります。
基本は自然乾燥が鉄則です。干すときは日当たりの良い場所よりも、日陰で風が通る場所を選ぶと安心。直射日光が長時間当たると生地が硬くなったり、内部パーツが劣化することがあるためです。また、物干し竿にかける際は、毛布の重みで内部が偏らないように、M字干しのように広い面積で支えると負担が減ります。
乾燥中はときどき位置をずらして、湿気が溜まりやすい部分に風を当てるとさらにスムーズに乾きます。完全に乾いたと思っても、取り込んですぐ使うのではなく、半日ほど室内で広げて残りの湿気を飛ばすと安心です。内部がわずかに湿っているだけでも故障の原因になるため、「しっかり乾かすこと」が最も大切なポイントです。丁寧に乾燥させることで、安全に長く使い続けられます。
まとめ
毛布は大きくて扱いが大変に見えますが、洗濯表示を確認し、正しい手順を押さえれば自宅でも十分にきれいにできます。ポイントは「洗う前の確認」「やさしい洗い方」「風通しの良い乾燥」の3つ。
特に電気毛布は構造がデリケートなので、事前チェックと自然乾燥が欠かせません。厚手の毛布でも、M字干しやサーキュレーターを活用すれば早く乾き、生乾き臭の心配も減ります。ほんの少し工夫するだけで、ふんわり気持ちのいい仕上がりに。
シーズン中でもこまめにお手入れすれば、衛生的で快適な睡眠環境が保てます。手間をかけた分だけ、毎日の眠りがもっと心地よくなるはずです。
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