冬至は、一年で最も昼が短く夜が長い特別な日。
この時期には、かぼちゃを食べたり、ゆず湯に浸かったりすることで無病息災を願う風習があります。
「寒くなっていく時期には体が温まり、風邪の引きにくい体力のつくものを食べる。
そして食べて元気に過ごせるだけでなく、運もついていく。
冷えた夜はゆず湯につかって温まり心も癒される。」
そんな寒い季節にぴったりの伝統行事を楽しみながら、健康と運気をアップさせてみませんか?
この記事では、冬至にまつわる風習やその意味、具体的な実践方法をわかりやすく解説します。
冬至とは?
冬至とは、一年のうちで昼の時間が最も短く、夜が最も長い日のことです。
この日は太陽が一年中で最も南に位置にありますが、北半球にある日本では太陽の高度が一年で最も低くなり、日の出から日の入りまでの時間が短くなります。ただ日差しは部屋の奥まで差し込みます。
冬至は「二十四節気」の一つに数えられ、毎年12月21日から22日ごろにあたります。
12月21日(土)
この日は自然界における季節の節目でもあります。
冬至を境に日照時間が徐々に長くなり、春に向けた新しいサイクルが始まることから、
「太陽がよみがえる日」や「一陽来復(いちようらいふく)」と呼ばれます。
これは、「陰が極まり陽に転じる」、「冬が去って春が来る」という意味で、この日より運気が上昇し始める日として古くから重視されており、この日に行う風習には健康や幸運を願う意味が込められています。
冬至の風習
中国では古くから冬至を冬至節といって、歴の始まりとして祝っていました。
そして疫鬼(疫病をはやらせるという悪神)を除くためにあずきがゆを食べていました。
一方、日本では無病息災を願って冬至にゆず湯に入ったり、かぼちゃを食する風習があります。
冬至を迎えると昼間は長くなっていきますが、寒さはこの時期から本格的に厳しくなります。
ゆず湯、かぼちゃのどちらも冬本番に備えて体を温めたり、体力づくりをして風邪を予防する知恵といわれています。
これにより、一年を通じて風邪を引かずに健康に過ごせると考えられています。
冬至に何するの?
日本では冬至に特別な風習があり、健康や幸運を願う意味が込められています。
具体的には、冬至にはゆず湯に入りカボチャを食べます。
冬至に欠かせないのが「かぼちゃ」です。
「冬至カボチャを食べると長生きする」と昔からいわれています。他にも厄除けや風邪を引かない、金運が上がるなどもあります。
もう一つの冬至の代表的な行事が「ゆず湯」です。
「冬至にゆず湯に入ると風邪を引かない」といわれています。柚子を湯船に浮かべたお風呂に入ることで、心身を温め、健康を願います。また美肌にもよいので丸ごと入れて楽しみたいですね!
冬至は、自然の移り変わりを感じながら健康と幸運を願う特別な日です。
最近では、温泉施設やスパで「ゆず風呂」のイベントが行われることも増えました。
家族で温泉に出かけたり、自宅でかぼちゃ料理を囲みながら冬至を楽しむのも素敵な過ごし方です。
「ん」のつくものを食べると幸運が訪れる!
地域によって冬至に「ん」がつくものを食べると幸運が訪れるいうところもあります。かぼちゃは「なんきん」と呼ばれることから、この風習に含まれます。他にも、以下のような食材があります。
だいこん
にんじん
れんこん
ぎんなん
うどん
これらの食材を取り入れることで、縁起を担ぎつつ栄養をしっかり摂ることができます。
冬至になぜカボチャを食べるの?
冬至は、一年の中で昼が最も短く、夜が最も長い日です。この時期、寒さが一層厳しくなり、風邪をひきやすい季節でもあります。
そんな中、私たちの体を守り、縁起を担ぐための習慣として「カボチャを食べる」風習が日本各地で続いています。
風邪予防と免疫力アップ
冬至にカボチャを食べる最大の理由は、風邪予防や免疫力の向上が期待できるからです。
カボチャは栄養豊富な野菜です。特にビタミンA、ビタミンC、カリウムの成分が含まれています。
ビタミンA
粘膜を保護し、免疫力を高める働きがあります。これにより、風邪やインフルエンザなどの感染症から体を守ります。
ビタミンC
抗酸化作用があり、体の老化を防ぐとともに、疲労回復を助けます。
カリウム
血圧を調整し、むくみを防ぐ効果が期待できます。
これらの栄養素は、寒さの厳しい冬に欠かせないエネルギー源となります。また、体を温める作用があるため、冷え性の改善にもつながります。
保存食としての役割
一年中見かけるカボチャですが、本来の旬は夏です。
昔の日本では、冬は農作物が育たない厳しい時期でした。そのため、冬に備えて保存の効く食材が重宝されました。
カボチャは収穫後も長期間保存が可能で、栄養価を損なわずに食べられることから、冬の貴重な保存食として親しまれてきました。
縁起を担ぐ意味
冬至には、「ん」のつく食べ物を食べると運気が上がるとされています。この風習は、「一陽来復」という思想に基づきます。
冬至を境に日照時間が徐々に長くなることから、「暗闇から光へと転じる」転機とされ、幸運や再生の象徴とされています。
カボチャは、「なんきん」という名前に「ん」が二つ含まれているため、特に縁起が良い食べ物とされています。
冬至かぼちゃの簡単レシピ
材料(4人分)
・かぼちゃ:1/2個
・水:2カップ
・だしの素:少々
・みりん:大さじ2
・しょうゆ:小さじ1
・小豆の缶詰:1缶
作り方
- カボチャは種を取り除き鍋に入れる。分量の水、だしの素、調味料を加えて強火にかける
- 煮だったら中火にして落し蓋をして煮汁が少なくなるまで煮詰めていく
- 別の鍋に小豆を入れ、空になった小豆の缶2杯の水を加えて中火にかける
- 3を2に加えて混ぜ合わせて、ひと煮立ちさせたら出来上がり。
冬至にゆず湯に入る理由は?
ゆず湯は冬至の時期に取り入れる風習の一つで、その起源は江戸時代にまでさかのぼるといわれています。
「ゆず(柚)」は「融通(ゆうずう)が利く」という語呂合わせや、「冬至=湯治(とうじ)」の音の重なりから、健康を願う象徴とされてきました。
柚子を湯船に浮かべたお風呂に入ることで、健康維持と邪気払い、さらに運気を高めるとされ、現代でも多くの家庭で楽しまれています。
ゆず湯の健康効果
冬至の頃は冬を本番に迎える時期で、寒さはどんどん増していくでしょう。この寒さに対応するため、体を温めることが大切です。
ユズは旬を迎える時季でもあり、ゆずの香り成分であるリモネンやシトラールが体を温め、血流を良くします。
この日ゆず湯に浸かると血行が促進され、冷え性の改善や血流改善につながります。
体が芯から温まることで、新陳代謝が活発になり、冬の厳しい寒さを快適に乗り切れる体作りが期待できます。
ゆずには、免疫力を高めるビタミンCが豊富に含まれています。ゆず湯の蒸気を吸い込むことで、喉や鼻の粘膜が潤い、ウイルス対策としても役立ちます。
冬至にゆず湯に浸かることで風邪を引きにくくするという風習には、このような健康維持の効果が関係しています。
ゆず湯の美容効果
ゆずの皮には天然の保湿成分が含まれており、肌を乾燥から守ります。さらに湯気に含まれるゆずの成分が肌の調子を整え、スキンケア効果を発揮します。乾燥しがちな冬の時期には、美肌作りにぴったりの湯浴みです。
ゆず湯に浸かると発汗作用が促され、体内の老廃物が排出されやすくなります。このデトックス効果により、体がすっきり軽く感じられるでしょう。ストレスで滞りがちな体の循環を整えるのにも役立ちます。
ゆず湯のリラックス効果
ゆず特有の柑橘系の香りには、心を落ち着ける効果があります。
その香りはリモネンなどの精油成分によるものです。この成分は、ストレスを和らげ、精神を安定させる働きがあります。
忙しい年末にぴったりのリラクゼーションを提供してくれるので、周りのよどんだ空気が一掃された気分にもなり心身ともに癒される時間を過ごせます。
ユズ湯の入り方
冬至はちょうど柚子の旬にあたる時期です。皮が鮮やかで香りが強いものを選びましょう。
浴槽に湯をはって柚子を浮かべて入るのがユズ湯です。
ユズは丸ごと浮かべるのも良いですが、半分に切ったり輪切りにすることで香りがさらに引き立ちます。
肌の弱い人は、柚子は少なめにしておくほうがいいかもしれません。直接入れるのは抵抗があるなら、ガーゼや袋にゆずを入れると安心です。
さいごに
冬至は、一年で最も昼が短い日であり、昔から自然のリズムに寄り添った生活や風習が根付いています。
カボチャやゆず湯といった伝統的な行事は、無病息災や運気上昇を願う家族イベントとしても楽しめます。
カボチャの栄養で体を整え、ゆず湯で心と体を癒しながら、冬本番に備えて健康で充実した日々を送りましょう。
今年の冬至は、自然の恵みを感じながら家族で楽しいひとときをお過ごしください。

