たけのこの旬は3~5月です。春先には店頭に旬の新タケノコが並びますね。これまですでに下茹でされたものを調理していたけれど、生のたけのこはやはり美味しさが実感できます!
でも「たけのこのえぐみが残ってた!苦くて食べられない!」そんな声もよく聞かれますよね。
たけのこは収穫したてのものは生で食べられますが、アクが強いため収穫から時間が経つにつれてえぐみが強くなります。買ってきたらその日のうちに下茹でしてなるべく早く調理しましょう。
今回はたけのこのえぐみを残さない、上手なアクの抜き方、茹で方、保存方法をお送りします。
たけのこのえぐみの原因は?
たけのこは低カロリーの独特な香りと苦みをある春を感じさせる食材ですが、たけのこを食べたとき苦味を感じることがあります。
タケノコの独特な味わいは、チロリンというアミノ酸の一種によるものです。チロリンは代謝を制御する甲状腺ホルモンの原料になる物質です。
チロリンは時間の経過につれて酸化しホモゲンチジン酸というアク成分に変化してしまいえぐみの原因となります。
さらにシュウ酸というアク成分が含まれています。シュウ酸はほうれん草にも含まれていますが、ともに茹でたあと水にさらすことによってアクは抜けてくれます。
たけのこはアクの強い食品ですが、筍に多く含まれる食物繊維は不溶性のセルロースで、消化吸収されないので便秘に有効です。
またカリウムも多く含んでおり、ナトリウムを排出する働きを持つため利尿を促してむくみの改善や血圧降下などの効能もあります。
効能たっぷりなたけのこを味わうためには、新鮮なものを選び、十分にアクを取り除いて調理する必要があります。
たけのこのアクの抜き方
たけのこはアクが強いのでアクを取るために買ってきたらその日のうちに皮つきのまま下茹でします。皮にはアクを抜く働きがあるためです。
結婚当初は春になると、主人の実家から裏山で採れたという皮付きの筍が米ぬかとセットで送られて
きました。当時は皮つきのままで茹でるなど知らず茹でる前に皮むきに奮闘したものです(-_-;)
たけのこのアクを抜くために、茹でる際に米ぬかと赤唐辛子を加えて火にかけるのですが、米ぬかに含まれるカルシウムには苦味を緩和する働きがあるからです。
中火弱の火加減で1時間前後を目安に弱く沸騰させたままゆっくりと茹でてください。茹でていると白い泡(アク)が出てくるので残らないように取り去ります。
えぐみを残さないために、ゆで上がってもすぐに取り出さないでゆで汁の中に入れたまま常温でしっかりと冷ますのがポイントです。
- 買ってきたらすぐに下茹でする
- 皮付きのまま茹でる
- 茹でる際に米ぬかと赤唐辛子を加える
- アクをしっかり取る
- 茹で上がったらゆで汁の中にいれたまま常温で冷ます
以上を守ることでしっかりアクを抜くことができます。(米ぬかがないときは米のとぎ汁で代用できます)
たけのこの茹で方
たけのこは弱火で茹でるのが鉄則です。茹で上がるまでに時間がかかってしまいますが、強火では時間の短縮ができてもアク抜きが不十分になってしまうのです。
火の通りをよくするために、たけのこを茹でるまえに先端を斜めに切り落とします。さらに切り口から縦に2㎝程の深さの切り込みを入れておくことで、しっかりと茹で上がることができます。
茹で上がるまでに1時間前後を目安にしますが、たけのこの中央に竹串をさしてみてスッととおれば茹で上がりです。
材料
たけのこ 皮つき
米ぬか 1カップ
赤唐辛子 2~3本
- たけのこは皮つきのまま、汚れはタワシで洗い流す
- 先端を斜めに切り落とし、縦に切り込みを入れる
- 鍋にたけのこ、たけのこがかぶるくらいのたっぷりの水を入れる
- 米ぬか、赤唐辛子を加え、手でさっとかき混ぜて米ぬかをなじませたら落し蓋をして強火にかける
- 沸騰したら中火弱で1時間ほど茹でる。このときアクはしっかりと取り除く
- 竹串がスッととおれば茹で上がり
- 火を止め、ゆで汁につけたまま完全に冷めるままおいておく
- ゆで汁から取り出したら軽く洗い、皮をむき、きれいな水をはったボウルに入れる
たけのこの皮のむきかた
たけのこは皮付きのまま下茹でし、茹で上がった後に皮をむきますが、皮はどこまでむけばいいのかわかりにくいものです。
皮をむく目安は表面についている産毛がなくなるまでで、産毛がなくなったらむき終わりです。
わかりずらいときは切り目に指を入れて穂先と根元を握ってそれぞれを逆方向にひねって穂先を上方向に引き上げてやると簡単にむくことができます。
根元は硬いのですが薄く一回りむき、むいた後に水のはったボウルにつけておくことで香りが抜ける
のを防ぐことができます。その後好みで切り落としてください。
たけのこの保存方法
下茹でしたたけのこはなるべく早く調理したほうがよいのですが、残りそうな場合には皮付きのものは冷暗所に保存しておくことができます。たけのこは新鮮なものを選んでください。太く、皮にはツヤがあり、適度に湿り気があるものを選びます。
冷蔵保存の方法
下茹でしたものは2~3日なら冷蔵保存して美味しくいただくことができます。ボウルに水をはってたけのこが完全に浸る状態で冷蔵庫に保管すればOKですが、その際には水は毎日取り換えてください。
冷凍保存の方法
冷凍しておけば一か月程度は保存しておくことができます。下茹でしたタケノコを好みの大きさに切り、冷凍用の保存袋にだし汁と一緒に入れて冷凍室で保存します。
さいごに
旬のたけのこを美味しくいただくためにはアクを取り除くことがポイントです。掘りたてのものは生で「刺身」にしても食べれるのですが、市販のものは時間がたっているので残念ではありますね。
それでもすでに下茹でされたたけのこではなく、皮付きの生のたけのこは香りも歯触りも絶品です。ぜひアクを上手に抜いて旬のたけのこを味わってみてください。
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