切り花を長持ちさせる方法は?花の種類別や簡単な裏技などご紹介!

切り花 暮らし

花は気持ちを豊かにさせてくれるものですよね。色とりどりの花々が部屋に飾られていると気持ちがいいものです。大切な人にプレゼントされた花であれば、できるだけ長くキレイに咲いてほしいと願ったりしませんか。

そこで今回は切り花を長持ちさせる基本的な方法や、花の種類別に長持ちさせるコツ、そしてすぐに試せる簡単な裏技などご紹介します!

スポンサーリンク

切り花を長持ちさせる方法<基本>

切り花を長持ちさせるために大切なことは、新鮮な水を毎日与えてあげることです。

うっかり花瓶の水を放置してしまったことはありませんか?花瓶に生けた花が枯れてしまうのは、汚れた水のせい。バクテリアなどの細菌が繁殖してしまったことが挙げられます。

通常、切り花の寿命は、春夏は1週間前後ですし、冬なら2週間ほど持たせることができます。ところが切り花を生けたまま放置しておくと、水につかった葉や茎が腐って水を濁らせてしまい細菌が繁殖しやすくなってしまうのです。

毎朝きれいな水に取り替えること、そして茎の傷んだ部分を切ることで、花に吸水しやすい状態にすることができるので切り花の持ちもずっと長くなります。

また、切り花を生ける前や生ける際にも長持ちさせるためのポイントがあるのでしっかりとおさえておきましょう。

1、水につかる葉を取り除く
2、つぼみを切る
3、茎を切る
4、花瓶に生けるときの注意
5、花瓶を置く場所
スポンサーリンク

水につかる葉を取り除く

花瓶に切り花を生けたとき、見栄えを優先してしまうものです。でも葉が水につかっていると水を濁らせて細菌が繁殖しやすい状態になってしまいます。このままでは葉や茎が傷んでしまうので、まずは水につかる位置にある葉は予めすべて取り除いておきます。

切り花は根がないため十分な水分を吸水することができません。花は葉から水分が蒸発していくため、葉が多すぎるままだと、水分が花まで行き渡る前に葉から水分が蒸発してしまうので花が弱ってしまいます。葉が多すぎる場合も程よく取り除いておきます。

つぼみは茎や葉にある糖が行き渡ることで開花します。すべての葉を取り除かないように注意してください。

余分なつぼみを取り除く

ひとつの枝から複数の花を咲かせている場合は、これから先は咲くかどうかわからない蕾は葉と同様に取り除きます。

つぼみがあると次々に咲いてくれると思いがちですが、切り花の場合は余分なつぼみがあると花に栄養が行き渡らなくなってしまうため、開花している花も弱ってしまいます。

切り花の中央より下部分にあるつぼみや小さなつぼみは、取り除くことで咲いている花の持ちが良くなります。

茎を切る(水切り)

切り花が水分を吸水するのは茎の切り口からです。そのため切り口の状態が悪いと水分をうまく吸水できないため切り花は長持ちできなくなってしまいます。

そこで切り花を生ける前に、茎の先端を3㎝ほど斜めに切ることで吸水しやすくなり花の持ちがよくなります。これを水切りといいます。

水切りはバケツなどにたっぷりの常温の水を入れて水中で行います。これは切り口から空気が入ると水の通りが悪くなるのを防ぐためです。冷たい水は温度差で導管が詰まってしまうので常温で行います。

切り花の切り口を切れ味の良いハサミで斜めにして切ることで、吸水面積が広がるので吸水しやすくなります。ハサミも使用前には消毒して切り口から雑菌が侵入することを防ぎます。少し元気のないときも、切り口を切ったらそのまま水中に2時間ほどおくとシャキッとします。

花瓶に生けるときの注意

切り花を生ける際はキレイに洗った花瓶に水をたっぷり入れるのが基本です。

花瓶が汚れていてはきれいな水をいれても細菌に汚染されてしまいます。切り花を長持ちさせるために花瓶の水を常に清潔にしておくことが大切です。

細菌の繁殖を防ぐために花瓶の水は毎日取り換えてましょう。水の取り換えは花が活動を始め、栄養を吸収しやすい朝がおすすめします。水を取り替えるとき花瓶もキレイに洗いましょう。

茎の切り口は水につかった状態では傷みやすいため、水替えする度に1㎝ほど水中で斜めに切り、常に吸水しやすい状態にしておきます。

花瓶を置く場所

切り花はなるべく明るいところへ置くほうがいいのですが、根のついた植物と異なって直射日光を嫌います。

日光で暑くなりすぎると水の吸い上げが悪くなって枯れてしまいます。高温になり水温が上昇すると細菌がが繁殖しやすくなってしまうためです。

直射日光が当たらない、エアコンの送風が直接当たらない、温度変化のない場所に飾りましょう。

切り花の種類別に長持ちさせる方法

バラの切り花

バラは花びらが多く茎が細いため、購入した後に時間があくとしおれやすくなります。バラの切り花を花瓶に生ける前に水切りをした後2時間ほどたっぷりの水の中につけておき充分に吸水できる状態にする必要があります。

またバラは暑さが苦手なので風通しの良い涼しい場所におきます。冬場は寒すぎるとつぼみが開かないこともあるので20度前後の温度管理をしっかりと心がけましょう。

胡蝶蘭の切り花

胡蝶蘭は花持ちが良く鉢では1~3か月ほど花が咲き続け、切り花としても2~3週間ほど咲かせることができます。涼しい場所を好むため、飾る場所に気を付けて毎日水替えと水切りを行うことで持ちがよくなります。

胡蝶蘭は大輪のため重みで花茎が折れてしまうことがあるので、鉢の胡蝶蘭が折れた場合には小ぶりの花器に生けて楽しむことができます。

ひまわりの切り花

ひまわりの葉は大きいため、たくさんついてると葉が水分や栄養分を吸収してしまうので、ハサミで切り落とします。茎はぬめりが出やすく腐食しやすいので花瓶の水は少なめにします。

切り花のひまわりは直射日光は苦手なので飾る場所は直射日光が当たらない風通しの良い涼しい場所を選びましょう。またぬめりが出やすいので水替えのときに花瓶もよく洗うことで持ちが良くなります。

ユリの切り花

ユリは、開花するとおしべがはじけて花粉が出てきます。めしべに花粉がつくと受粉して花はしおれていきます。

そこで、開花直後のまだ花粉が出ていない頃にピンセットやティッシュペーパーなどで軽くつまんで
花粉を取り除きます。

ガーベラの切り花

ガーベラのように茎の内側が空洞の花は吸水がよいため、水を入れすぎると茎が腐ってしまい細菌の繁殖の原因になってしまいます。花瓶に入れる水は数センチ程度の少なめにすることで持ちがよくなります。

チューリップの切り花

チューリップなど春の球根花の場合は茎がやわらかいので水につかり過ぎると茎が腐ってしまいます。

葉をすべて切ると見た目が悪くなるので下から生えた葉も切らずに残します。葉がつからない程度の水位にして小まめに水を取り替えましょう。

ポピーの切り花

ポピーのように産毛が生えた茎をもつ花はうぶげに細菌が繁殖しやすく、またポピーの茎は茎の内側が空洞なので水中につけていると腐りやすいです。そこで花瓶の水はなめにして、水替えも小まめに行うことで長持ちします。

切り花を長持ちさせる簡単裏技

切り花を長持ちさせるための基本は清潔な水を与えてあげることです。毎日花瓶の水を替えて、水切りして茎の切り口をキレイに保つという基本を守ることで花を長く楽しむことができます。

でも多忙で毎日の水替えがなかなかできないというときには、頼りになるいくつかの裏技があるのでご紹介しますね。

切り花延命剤

延命剤は切り花を長持ちさせるための薬剤で、花屋さんや園芸店などで売られています。延命剤には栄養剤のほかに抗菌剤や殺菌剤など花にとって必要な成分がいろいろと含まれています。

ハイター(漂白剤)

花瓶の水に殺菌効果のある漂白剤を混ぜることで細菌の繁殖を防ぐことができます水1Lに漂白剤を5~6滴L入れるだけで毎日の水替えができないときでも清潔に保つ効果があります。

炭酸水

花瓶に水の代わりに気の抜けた炭酸水を入れます。植物の成長に必要な栄養素には糖が含まれます。糖分を含む炭酸水を入れることで花持ちが数段良くなります。

10円玉

花瓶の水の中に10円玉を入れておくと、銅が溶け殺菌効果によって菌の繁殖を抑えることができます。水替えのときに10円玉も一緒に洗いましょう。

砂糖

花は開花するために糖を必要とします。花瓶の水に砂糖を加えると切り花が栄養を補給して長持ちします。ただし、砂糖は細菌の栄養にもなって繁殖しやすくなってしまいます。

そこで水1リットルに対して5~10グラム程度の砂糖と殺菌効果のある漂白剤を5~6滴を一緒に入れることで長く楽しむことができます。

切り花の切り口に直接塩をすりこんだあと花瓶に生けます。塩には殺菌効果があり細菌の繁殖を防いでくれます。

お酢

お酢の殺菌効果で切り花を長持ちさせてくれます。
1リットルの水に数滴入れるだけ。または、切り花の茎の切り口に直接酢を30秒ほどつけてからすぐに花瓶に生けます。

水切り以外の切り花の水揚げ方法は?

水揚げとは

切り花には根がないため吸水の力が弱くなっています。また花瓶に生けるまでの過程で水を吸い上げる茎の切り口の部分には、空気や細菌が入り込んでしまうために吸水する力がさらに弱った状態になっています。

そこで切り口を整えて吸水しやすい状態にすることを水揚げといいます。

一般的には大概の切り花は水切りが有効な水揚げ方法ですが、切り花の種類によってはその他の方法が適している場合があります。

手折り

手折りはハサミを使用せず手で茎を折る方法で、繊維がバラバラになって吸水力が良くなります。菊やカーネーション、リンドウ、トルコ桔梗など、茎がある程度硬さがあり綺麗に折れる植物に適しています。柔らかい茎を手折りしてしまうと水の通り道をつぶしてしまい逆効果になってしまいます。

割る

桜やツツジ、ツバキなどの吸水が悪い枝物に行う方法で「根元割り」ともいいます。硬い茎や枝物などのハサミで切ることが難しい茎は、縦に十文字に切り込みを入れることで吸水がよくなります。

叩く

ハサミで切れない硬い枝を木づちなどで叩いて柔らかくする方法です。千両やテッセンなどの細くて硬い枝は叩くことで繊維がほぐれ吸水する力を強めることができます。

焼き揚げ

バラやあじさいなどの茎の太い切り花に適した方法です。水切り後花束の上部から3分の2までの部分を新聞紙で包み、根本1〜2cmほど炭化するまで火で焼きます。その後すぐに水をはったバケツに入れて翌日までつけておきます。

湯揚げ

菊やバラ、ストック、枝物に有効な方法です。樹液のつまりを防いだり茎の中の空気を抜く、殺菌効果などが主な理由で行われます。水切り後花束の上部から3分の2までの部分を新聞紙で包み、根本の3〜5cmほど沸騰させたお湯に入れます。30秒熱湯につけた後、すぐに水をはったバケツにつけておきます。

切り花のつぼみを上手に咲かせる方法

切り花のつぼみが順々に開花するのも楽しの一つですが、咲かずに枯れてしまった経験はありませんか?つぼみを上手に咲かせるには工夫が必要です。

つぼみを開花させるためにはつぼみに充分な栄養が行き渡る必要があります。たくさんのつぼみがついている場合は小さくて硬いつぼみは取り除いておきます。

また多すぎる葉も間引きますが、つぼみは葉にある糖が行き渡って開花します。見栄えも考慮しながら数枚残して取り除きましょう。

茎も短いほうが切り花全体に吸水させやすくなります。

できるだけ多くのつぼみを咲かせたい場合には花瓶の水に栄養を補給しましょう。延命剤など専用の栄養剤を利用する方法が確実ですが、家庭にあるもので手軽に試せるのが砂糖です。砂糖だけでは細菌が繁殖してしまうので漂白剤を併用してみてください。

さいごに

切り花を長持ちさせる方法をお送りしました。毎日きっちりと水を替えていれば大丈夫、と思っていたけれど、実は余分な葉を間引きしたり、水の中で茎を切ったりといろいろと大変だな、花ってデリケートなんだなと感じました。

でも手をかけるだけ、長く美しく咲いてくれます。まずは基本をきちんと守ることから始めてみましょう(^^)

▼こちらの記事もどうぞ▼

スポンサーリンク
タイトルとURLをコピーしました