「処暑(しょしょ)」って聞いたことあるけど、なんとなくしかわからない…そんな方も多いかもしれません。暦のうえでは「暑さが落ち着く頃」とされる処暑ですが、実際にはまだ暑い日が続いていたりして、「え?これで涼しくなるの?」と感じることもありますよね。
この記事では、処暑の意味や由来、2025年の具体的な日付、残暑との違いまでを、やさしく丁寧に解説します。さらに、処暑のころに気をつけたい体調管理や食事、暮らしの工夫もご紹介。季節の変わり目を心地よく過ごすヒントを、ぜひチェックしてみてくださいね。
処暑とは?意味と読み方、由来をやさしく紹介
「処暑(しょしょ)」という言葉、聞いたことはあるけど意味までは知らない…という方も多いのでは?この項目では、処暑の読み方や漢字の意味、そして昔の人がどんな思いでこの言葉を使っていたのかを、わかりやすく解説します。
処暑の読み方と漢字の意味
「処暑(しょしょ)」という言葉、ちょっと難しそうに見えますが、読み方は“しょしょ”。「処」は“おさまる”や“とどまる”という意味があり、「暑」はそのまま“暑さ”のこと。つまり「処暑」は“暑さがいったん落ち着くころ”をあらわす言葉なんです。
昔の人は、季節の変化を肌で感じながら、それに名前をつけて生活に活かしていました。処暑はそんな知恵のひとつで、「このころから少しずつ秋の気配が感じられるよ」というサインでもあります。
「暑さのピークは越えたけど、まだ油断できないな〜」という時期にぴったりな名前ですね。
二十四節気のひとつ「処暑」の位置づけ
処暑は、暦の上で1年を24の季節に分けた「二十四節気(にじゅうしせっき)」のひとつ。この節気は、古代中国の農耕カレンダーを元にしたもので、日本でも季節の目安として使われてきました。
処暑は、二十四節気の中で14番目にあたり、夏の終わりと秋の始まりのちょうど境目です。立秋の次にやってきて、その後には白露(はくろ)があります。
季節はカレンダーだけで進むものではありませんが、こうした節気を意識すると、「あ、そろそろ日が短くなってきたな」「虫の音が増えてきたかも」と、自然の変化に敏感になれるきっかけにもなります。
処暑に込められた昔の人の知恵と暮らしの工夫
「処暑」は単なる季節の名前ではなく、農作業や生活のリズムを考えるうえで、とても大切な指標でした。
たとえば昔の農家では、処暑を境に、暑さによる稲の病気や虫害を警戒したり、秋の収穫に向けての準備を始めたりしていました。また、天候の急変や台風シーズンを意識するきっかけにもなっていたのです。
家庭でも「そろそろ寝具を変えようか」「虫の侵入が増えてきたから対策しなきゃ」など、処暑の頃はちょっとした見直しのタイミングとして使われていました。
今の時代でも、このような季節感のある暮らしの知恵は、自然と上手に付き合うヒントになりそうですね。
処暑はいつ?2025年の日付と時期の目安
処暑って結局、いつのこと?」と気になる方へ。2025年の処暑の日付や、処暑の期間、そして前後の節気とのつながりについて解説します。季節の移り変わりを知るヒントがここにあります。
2025年の処暑はいつ?具体的な日付
2025年の処暑は、8月23日(土)です。
これは国立天文台が発表する暦によるもので、毎年ほぼ同じ時期に設定されていますが、1日前後ずれることもあります。
「処暑=8月23日ごろ」と覚えておくと便利ですが、年によって微妙に異なるため、正確な日付を確認したい場合は、天文暦や公式カレンダーをチェックするのがおすすめです。
この日を過ぎると、日中はまだ暑くても朝晩の風に秋の気配を感じることが多くなり、「あ、季節が変わってきたな」と思えるようになります。
処暑の期間と、前後にある節気との関係
処暑は、「8月23日」だけを指すわけではありません。
その日から次の節気(白露)までのおよそ15日間を「処暑の期間」として考えるのが一般的です。
2025年の場合、8月23日〜9月7日ごろがそれにあたります。
ちなみに、処暑の前にあるのは「立秋(りっしゅう)」、その次は「白露(はくろ)」。この3つの節気は、夏から秋への移り変わりを表していて、自然のグラデーションのような役割を果たしています。
暦を見るだけでなく、虫の声や風のにおい、空の高さなどを感じながら、この変化を楽しめると素敵ですね。
処暑はどんな季節?気温や気候の変化
処暑の頃は、「暑さが収まる」と言われつつも、まだまだ30℃を超える真夏日が続くことも少なくありません。
ただ、同じ“暑さ”でも、ジメジメした梅雨や猛暑のピークに比べると、風がやや涼しくなったり、朝晩に少しホッとできる時間が増えたりと、季節が確実に動いていることを実感できるようになります。
この時期は、台風が発生しやすい時期でもあり、気温差や気圧変化による体調不良にも注意が必要です。冷たいものの摂りすぎや、エアコンによる冷えが残っている人は、体をじんわり温める工夫も取り入れてみましょう。
処暑と残暑の違いとは?似ているようで意味が違う
「残暑」と「処暑」、なんとなく同じような言葉に思えますが、実は意味も使われ方も違います。この項目では、その違いをはっきりさせつつ、気象用語と暦の使い方の違いにも触れていきます。
残暑とは?期間と意味
「残暑(ざんしょ)」とは、立秋を過ぎたあとに続く暑さのことを指します。立秋は毎年8月7日ごろなので、それ以降に気温が高い日があると「残暑が厳しいですね」などと表現します。
残暑は、気象の言葉ではなく季節の挨拶や生活に使われる言葉。たとえば「残暑見舞い」という表現があるように、相手の体調を気づかう季節の言葉としてよく使われます。
つまり、残暑は“暑さそのもの”ではなく、“暦の上では秋なのに、まだ暑い”という ズレを含んだ表現なのがポイントです。
「処暑=涼しくなる」ではない理由
「処暑」という漢字を見て、「ああ、もう涼しくなるんだな」と思いがちですが、実はそう単純ではありません。処暑は“暑さが収まる頃”を意味しますが、完全に涼しくなるわけではなく、暑さのピークを過ぎる目安のようなものです。
特に日本の夏は年々厳しく、処暑の頃でも35℃を超えることもありますよね。また、地域差も大きく、都市部や盆地では熱気がこもってなかなか気温が下がりにくい傾向も。
処暑の本来の意味は、「暑さが落ち着き始める兆しが見える頃」。“体感”ではなく“暦や自然の変化”に注目した言葉と考えると、少しわかりやすくなります。
気象用語と暦の違いを知ると納得できる
「処暑」や「立秋」といった言葉は、「二十四節気」という太陽の動きに基づいた暦の区分です。一方で、気象庁が使う「真夏日」「熱帯夜」などは、実際の気温や天気の観測データを元にしています。
つまり、「処暑=暑さが終わる」「残暑=ちょっとだけ暑い」といった感覚だけでは、うまくつかめないのも当然。暦と実際の気候にはズレがあることを知っていれば、「どうしてこんなに暑いの?」と戸惑う必要もなくなります。
こうした違いを理解しておくと、季節の言葉に対する見方が変わって、日々の暮らしもちょっと豊かになるかもしれませんね。
処暑のころの暮らしと過ごし方のポイント
処暑の時期は、暑さが残りつつも、少しずつ秋が見えてくる微妙なタイミング。そんな季節の変わり目を心地よく過ごすための体調管理、食事の工夫、暮らしの整え方を紹介します。
気温差による体調管理の注意点
処暑のころは、日中はまだ真夏のような暑さが残っている一方で、朝晩には涼しい風が吹くこともあり、寒暖差が大きくなりやすい時期です。この気温差に体がついていかず、自律神経の乱れや夏風邪、だるさを感じやすくなる人も少なくありません。
また、冷房に慣れた体が、朝晩のひんやりとした空気にさらされると、体が冷えて体調を崩す原因にもなります。寝るときは腹巻きや薄手のパジャマなどで体温をキープするのがおすすめです。
日中の暑さ対策と、朝晩の冷え対策をうまく切り替えることが処暑の健康管理のコツ。まだまだ油断できない時期なので、こまめな調整が大切です。
食生活で夏バテを防ぐには?おすすめ食材
処暑の時期は、暑さが長引いたことで体の中に熱がこもり、消化機能が弱っている人も多いタイミングです。そんなときは、体にやさしくて栄養があるものを意識してとると、夏バテ予防になります。
おすすめは、
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消化を助けてくれる長芋やオクラなどのネバネバ食材
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体を冷やしすぎず潤すかぼちゃ・にんじん・きのこ類
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汗で失われがちなミネラルを補う味噌汁や梅干し
冷たい飲み物やアイスが習慣化している人は、温かいお茶やスープをプラスするだけでも回復力が違います。
処暑のころは、“秋を迎える準備食”として、内側から整える意識がポイントです。
季節の節目にやっておきたい家のこと(衣替え準備・虫対策など)
処暑を過ぎると、日差しや空気に秋の気配が感じられるようになります。そんな季節の変わり目は、暮らしのリズムを見直すチャンスです。
例えば、
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夜に暑さが和らいだら、夏用寝具を洗って片づけ始める
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日が短くなってきたら、照明の見直しやカーテンの調整
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虫の活動が活発になるので、網戸や換気扇まわりのチェック&虫対策
また、衣替えの前に収納スペースの湿気取りや、クローゼット内の整理をしておくと、秋物の準備もスムーズに進みます。
「まだ夏だけど、もうすぐ秋だな」と意識を切り替えることで、暮らしにも余裕が生まれますよ。
まとめ
処暑は、「暑さが落ち着きはじめるころ」という自然のサイン。2025年は8月23日が処暑にあたりますが、実際にはまだまだ暑い日も多く、体調管理や暮らしの工夫が必要な時期でもあります。
「処暑」と聞くとピンとこないかもしれませんが、昔から使われてきた二十四節気には、自然の変化を敏感にとらえる知恵がつまっています。少しだけ意識を向けてみると、暑さのなかにほんのり秋の気配を感じられるかもしれません。
今年の処暑も、季節の移ろいを楽しみながら、心地よく過ごしていきたいですね。