胃カメラ検査は、消化器系の健康状態を確認するための重要な方法です。実際に検査を行う際には、「口から」または「鼻から」という2つの選択肢があります。
どちらの方法もそれぞれにメリットやデメリットがあり、患者個人の体質や好みによって、違った快適さを感じることがあります。
この記事では、それぞれの検査方法の特徴や利点、検査の快適さなどを細かく比較し、どちらがより楽な選択なのかを検討します。
私自身はこの15年の間に鼻からの胃カメラ検査を2回、口からを4回体験しました。
胃カメラ検査を控えている方々が、自分に最適な方法を選択する際の参考になるよう、目的や体験談について詳しく説明し、理解を深めるお手伝いをいたします。
胃カメラを鼻から入れるのと口から入れるの、どちらが楽?
胃カメラを鼻から入れるか口から入れるか、どちらが楽かは、個人の感じ方や状況によって異なります。一般的には、鼻からの方が多くの人にとっては少し楽だとされています。
なぜなら、口からの場合、口腔内に器具が入ることで吐き気や違和感を感じることがあるため、苦痛を感じやすいことがあります。
一方、鼻から入れる場合は、喉の方に進むため、口腔内に進むよりも不快感が少ないと感じる人が多いです。挿入後は、会話すらもできるほどです。
それだけ負担が少ないので初めて胃カメラを行う場合には、鼻から入れる方が恐怖感も少なくて済みます。
鼻と口とどちらが楽かといえば鼻からと答える人がほとんどでしょう。私も両方経験しましたが、絶対鼻派です。
胃カメラが怖いという人には、希望すれば意識をうとうとさせる鎮静剤を行ってもらう方法があります。どうしても怖くて無理という人は病院で相談すればいいですよ。
実は先ほど私は絶対鼻派と書きましたが、これは鎮静剤を行うまでの感想です。
今回5年ぶりに記事を更新してますが、この5年の間に鎮静剤を使用した口からの胃カメラ検査を3回行いました。恐怖心を感じることもなくあっという間に終わったのでとても快適に検査をうけることができました。
ただし鎮静剤を使用しての口からの胃カメラ検査は、個人病院によっては行われていない場合も多いので、鎮静剤を使用しない場合の口からの検査か鼻からの検査のどちらが楽なのかといえば、鼻からという感想となってしまいます。
どちらの方法を選択するかは、医師の判断や患者の状況によって異なります。検査の目的や患者の体格、症状によって最適な方法が選ばれるため、医師とよく相談することが重要です。
胃カメラ検査 鼻から?口から?違いは?
初めて胃カメラ検査を受ける際、鼻か口からカメラを挿入するかどちらが良いか迷うことがあるかもしれませんね。
かつては、胃カメラ検査(上部消化管内視鏡検査)は口から行うのが一般的でしたが、最近では個人医院でも鼻からの検査ができる場所が増えてきていますので、自分で選択することが可能です。
口から挿入する方法は一般的で、患者の負担が比較的少ないと言われていますが、違いとしては太さが挙げられます。
胃カメラは、直径約10mmほどの、長さは約120cm~130cmの柔らかくて曲がりやすい管です。
口から入れるカメラの方が太くなっているためより画像が鮮明に見る事ができます。また生検などを行う場合にも、このカメラが用いられることが多いです。
口からは嚥下反射があるため、挿入がやや難しい場合もありますが、患者の協力が得られればスムーズに進めることができます。
一方で、鼻から入れるカメラは、細い管になっているので痛みが少ないほか、入れた時の嘔吐反射が起きにくくなっているのが特徴です。
検査の基本手順
胃カメラ検査は通常、以下の手順で行われます。まず、患者は前日の夜から絶食し、検査当日に病院に到着すると、検査に備えて喉の麻酔や、必要に応じて鎮静剤が投与されます。
その後、内視鏡を「口から」または「鼻から」挿入し、食道、胃、十二指腸を観察します。
内視鏡は細いチューブ状の器具で、先端にはカメラが付いており、リアルタイムで映像をモニターに映し出します。
検査の所要時間は約15〜30分程度ですが、状況により多少の前後があります。検査後は、麻酔や鎮静剤の効果が完全に切れるまでしばらくの間、安静にして休むことが必要です。
前日は食事制限を守って
胃カメラ検査前日は食事制限があります。原則として21時以降の飲食は禁止です。
飲み物においては水は飲んでもかまいませんが、コーヒーやジュースそしてお酒は飲んではいけません。
胃の内容物が残っていると胃カメラの検査に影響がでます。管を入れて食道・胃・十二指腸部分の状態を直接診ていくわけですから嘔吐の原因にもなってしまいます。
鼻から胃カメラ検査(経鼻内視鏡検査)
経鼻内視鏡検査は、食道カメラ検査と呼ばれる検査方法の一種で、先端にカメラが付いた細い管を鼻から挿入して行います。
この方法の最も大きな利点は、管が舌の根元を通らないため、咽頭反射が少ないことです。そのため、患者さんは比較的快適な検査体験をすることができると言われています。内視鏡の太さも細く設計されているため、挿入時の違和感が軽減されやすいです。
経鼻内視鏡のメリット
経鼻内視鏡の最大のメリットは、喉の奥に管が当たらないため、咽頭反射が少なく、苦痛が軽減される点です。胃カメラ検査の際には口からよりも鼻からの方法を好む方が多い理由の一つです。
また、鎮静剤の使用が不要な場合が多いため、検査後すぐに通常の生活に戻りやすいという利点もあります。さらに、経口内視鏡に比べて患者さんがリラックスした状態で検査を受けられるため、検査全体がスムーズに進むことが多いです。
経鼻内視鏡のデメリット
一方で、経鼻内視鏡にはいくつかのデメリットもあります。
まず、鼻の粘膜が弱かったり、鼻炎持ちの患者さんにはこの方法は適さないことがあります。
また、内視鏡の太さが細いことから、画質や視認性が経口内視鏡よりも劣る場合があり、特に詳しい検査や治療が必要な場合には経口内視鏡が推奨されることもあります。
さらに、場合によっては鼻血が出る可能性もあり、止血が必要になることがありますが、この点については比較的容易に対応できます。
鼻から胃カメラ検査を受けたときの体験談
私はよく胃が痛くなります。年に何度か胃がギュっと掴まれているような痛みがおこるたびに
しかたなく病院へ行ってお薬をもらっていました。でも遂にきちんと調べようということになって胃カメラ検査を受けることになりました。
私の体験談をお伝えします。私の初めての胃カメラ検査は鼻からでした。先生から鼻と口のどちらにするか問われたときすぐに「鼻から!」と答えました。だって口からは抵抗あったし怖いじゃないですか。。
検査の前には看護師の方が丁寧に説明してくださり、安心感を持つことができました。
カメラを入れる前に喉や鼻の奥に麻酔をかけるので、飲み込みやすくなり嘔吐反射も起こりにくくなるということでした。
鼻から胃カメラを通す際、最初は少し不安でしたが「はい、飲み込んで」の声を合図にごくんと飲み込むとスムーズに奥に入っていきました。
それよりもげっぷが出そうになって、出さないようにするのが辛かったです。あ、辛いことがありましたね。
そして、胃カメラがお腹の中に挿入されている間は、少し違和感を感じるものの、痛みはほとんどなく、耐えられる範囲でした。
検査中は深呼吸を心がけ、リラックスすることが大切だと感じました。検査の時間は比較的短く、すぐに終わりました。終了後は鼻に挿されたチューブを取り除くときに、少し奇妙な感覚がありましたが、すぐに気持ちが楽になりました。
結果はその場で医師から説明を受けることができ、自分の体の状態を把握できるので安心です。
鼻からの胃カメラ検査を不安に思っている方もいるかもしれませんが、私の体験から言えることは、
痛みや不快感はそれほどなく、意外とスムーズに受けられるということです。是非、安心して受診してみてください。
口から胃カメラ検査(経口内視鏡検査)
経口内視鏡検査は、先端にカメラが付いた細い管を口から挿入して胃の中を観察する方法です。使用される管は比較的太く、高画質な映像を提供できるため、精密な検査が可能です。
また、治療が必要な場合にも口からの挿入が適しているとされています。なお、検査中の不快感を軽減するために、鎮静剤を使用することがあります。
経口内視鏡のメリット
経口内視鏡検査の最大のメリットは、高画質な映像による精密な胃の観察ができる点です。特に、治療が必要な場合や詳細な診断が必要な場合には、経口内視鏡が選ばれることが多いです。
さらに、管の太さが安定感をもたらすため、手技も安定しやすいとされています。鎮静剤を使用することで、眠った状態で検査を受けられるため、痛みや不快感を大幅に軽減することができます。
経口内視鏡のデメリット
一方で、経口内視鏡検査にはデメリットもあります。スコープが太いため、挿入時に強い咽頭反射を引き起こしやすく、鎮静剤を使用しない場合は検査中の不快感が強くなることがあります。
また、咽頭反射が強い人や口からの挿入が苦手な人には、非常にストレスがかかる検査となる可能性があります。
鼻炎持ちや鼻の粘膜が弱い人には経口内視鏡の方が適している場合もありますが、一般的には「鼻から」の方法の方が比較的楽であるとされています。
口からの胃カメラ検査の体験談(鎮静剤を使用しない)
実際に私が経験した、鎮静剤を使用しないで行った口からの胃カメラ検査についてお話しします。
最初は少し不安でしたが、医師や看護師のサポートがとても丁寧で、安心感をもらいました。
最初に、胃の働きを抑制する薬が肩に注射されました。次に、喉の麻酔というドロっとしたゼリー状の薬が喉に塗られ、約3〜4分間頭を後ろに傾けたままの状態で我慢しました。
その後、その薬を飲み込むように指示され、横向きになってベッドに寝て、口にマウスピースを
装着して胃カメラの管が挿入されました。
喉に異物があるだけで「オエっ」となってしまうものですが、医師や看護師から声がかけられ、気持ちを落ち着かせながら喉を使ってゴックンと管を飲み込みました。
管が喉を進む感触ははっきりと感じられましたが、麻酔の効果で痛みは感じませんでした。深呼吸をして、何も考えないように心がけました。
検査は約10分ほどで終わりました。痛みはなかったものの、お腹の奥に異物を感じるのは少し不快でした。
管が取り出されると、唾液がたれ流れてしまいますが、飲み込まず吐き出すように言われました。
。喉に残っている麻酔のせいで、通常の飲み込みではむせることがあるので注意が必要です。
検査が終わったあとの食事ですが、口からの胃カメラ検査の場合は、喉の麻酔が残っている場合があるので、検査終了一時間後に水を飲んで様子をみましょう。この点についても病院のほうから指示があるので、必ず守ることが大切です。
胃カメラ検査の鎮静剤の効果と目的
胃カメラ検査において、鎮静剤を使用することにより、検査中の苦痛や不快感を軽減することができます。
特に経口内視鏡検査では、口から入れる管が喉に当たりやすく、強い咽頭反射を引き起こすことがあります。しかし、鎮静剤を使用することで、患者さんは眠ったような状態になり、検査中の意識がほとんどなくなるため、リラックスした状態で検査を受けることができます。
鎮静剤のリスクと注意点
鎮静剤の使用にはいくつかのリスクや注意点も存在します。
まず、鎮静剤を使用すると意識が低下するため、検査後に一時的にボーッとしたり、ふらついたりすることがあります。
このため、検査後は一定時間、安静にして休むことが必要です。また、検査当日は車の運転や機械の操作を避けるようにしてください。
また鎮静剤にはアレルギー反応が出ることもありますので、以前に薬物アレルギーを経験したことがある方は事前に医師に報告することが重要です。
さらに、持病がある方や他の薬を服用している方は、鎮静剤が他の薬と相互作用する可能性がありますので、必ず医師に相談しましょう。
胃カメラ検査で鎮静剤を使用した体験談
私のかかりつけ医でも鎮静剤を使用した胃カメラ検査が行われるようになったので、胃カメラ検査を受ける際に、医師から鎮静剤の使用を勧められました。
最初は不安でしたが、実際に鎮静剤を使って検査を受けると、とても快適な体験でした。
医師からは、鎮静剤を受けると少し眠気が来る感じで、リラックスして検査を受けることができると
説明を受けました。でも実際は完全に眠っていてまったく記憶がありません。マウスピースを装着したのは覚えていますが、口に管を通す前に眠ってしまったようです。
痛みや不快感もありませんから、結果的に、鎮静剤のおかげでストレスなく検査を受けることができました。
ただし、鎮静剤によって体調が崩れることもあるので、しっかりと医師の指示に従うことが大切です。検査後は1時間ほど病院で安静にしておくように指示されます。そして車の運転も厳禁です。
胃カメラ検査は不安なことも多いですが、鎮静剤を使用することでその不安を和らげることができるので、積極的に検討する価値があると感じました。
さいごに
胃カメラ検査には「口から」と「鼻から」の2つの方法があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。
また、鎮静剤を使用することで検査の苦痛が大きく軽減されるという利点もありますが、その反面リスクも伴うため、慎重に考える必要があります。
私は「口から」「鼻から」さらに鎮静剤を使用しての「口から」とすべて体験してみましたが、鎮静剤を使用して行った口からの経口内視鏡検査が不安も苦痛も感じることなく一番楽に行うことができました。
胃カメラ検査を選ぶ際は、個々の体質や症状、医師との相談が大切です。良く話し合い、自分にとって最適な方法を選ぶことで、より快適に検査を受けられるようになります。
他の人の実体験や意見を参考にすることで、より多くの情報を得て、不安を軽減することができます。
胃カメラ検査は確かに少し不快な経験かもしれませんが、自分の健康を守るために必要な検査であり、頑張って受ける価値があると言えます。