たけのこの旬は3~5月です。春先には店頭に旬の新タケノコが並びますね。春になると食べたくなるたけのこですが、「えぐくて苦手」「下処理が難しそう」と感じている人も多いのではないでしょうか。
実は、たけのこのえぐみは、ちょっとした下処理や保存方法の違いで大きく変わります。特別な道具や難しい技術は必要ありません。ポイントを押さえれば、家庭でもえぐみの少ない、やさしい味のたけのこを楽しめます。
この記事では、えぐみが残る原因から、失敗しにくいアク抜きの方法、正しい保存のコツまでを、わかりやすく紹介します。たけのこ料理が初めての人でも、気軽に挑戦できる内容です。
たけのこのえぐみが残る原因を知ろう

収穫から時間が経つとえぐみが強くなる理由
たけのこは、野菜の中でも特に「鮮度が命」と言われる食材です。土から掘り出された瞬間から、えぐみの原因となる成分がどんどん増えていきます。
これは、たけのこが成長途中の植物で、収穫後も呼吸を続け、内部で化学変化が起こるためです。時間が経つほどアク成分が増え、苦味や渋みが強くなります。特に常温で放置すると、その進行は早く、半日ほどでも味に差が出ます。
スーパーで買った場合でも、購入後はできるだけ早く下処理をすることが重要です。「後でやろう」と思って放置することが、えぐみが残る最大の原因のひとつです。
えぐみの正体は「アク成分」にある
たけのこのえぐみの正体は、「アク」と呼ばれる成分です。主にシュウ酸やホモゲンチジン酸などが含まれており、これが口に残る苦味やピリッとした刺激の原因になります。
これらの成分は自然なものなので体に害はありませんが、下処理をしないと食べにくくなります。アク成分は水に溶けやすい性質があるため、正しい方法で茹でることで外に出すことができます。
しかし、茹で方が不十分だったり、途中で水を替えたりすると、アクが中に残ったままになります。つまり、えぐみがあるかどうかは、アクをきちんと外に出せたかどうかで決まります。
茹で方・下処理で差が出るポイント
たけのこのえぐみは、茹で方と下処理のやり方で大きく変わります。火を強くしすぎると、表面だけが先に加熱され、内部のアクが十分に抜けません。
また、茹でている途中で水を替えると、アクが外に出る前に閉じ込められてしまいます。さらに、茹で時間が短いとアクが残り、長すぎると風味が落ちる原因になります。
大切なのは、弱めの火でじっくり時間をかけることと、茹で終わるまで触らないことです。下処理は面倒に感じますが、ここを丁寧に行うだけで、えぐみのないおいしいたけのこに仕上がります。
たけのこのアクの抜き方の基本

米ぬかを使う定番のアク抜き方法
たけのこのアク抜きで最も安心で失敗しにくい方法が、米ぬかを使うやり方です。まず皮付きのたけのこをよく洗い、穂先を斜めに切り落とし、縦に1本切れ目を入れます。大きめの鍋にたけのこを入れ、全体がしっかり浸かる量の水を注ぎ、米ぬかをひとつかみからふたつかみ加えます。
さらに赤唐辛子を1本入れると、えぐみを抑える効果が高まります。火にかけて沸騰したら弱火にし、コトコトと1時間ほど茹でます。
米ぬかに含まれる成分が、たけのこのアクを吸着し、水の中へ引き出してくれるため、えぐみがやさしい味に変わります。途中で水を替えたり混ぜたりせず、じっくり火を通すことが大切です。
米ぬかがないときの代用アイデア
米ぬかが手元にない場合でも、たけのこのアク抜きは可能です。最も使いやすい代用品は、米のとぎ汁です。白く濁った1回目か2回目のとぎ汁を使い、米ぬかと同じ手順で茹でます。効果は少し穏やかですが、家庭用としては十分えぐみを抑えられます。
また、どうしてもとぎ汁もない場合は、小さじ1程度の重曹を加える方法もあります。ただし、重曹を入れすぎると、たけのこが必要以上に柔らかくなり、独特の香りが失われる原因になります。そのため、風味を重視したい場合は、米ぬかやとぎ汁など、できるだけ自然な代用品を選ぶことが大切です。
アク抜きでやってはいけないNG行動
たけのこのアク抜きでよくある失敗のひとつが、途中で水を替えてしまうことです。一見するとアクが抜けそうですが、実際にはアクが外に出る前に、逆に中に閉じ込められてしまいます。
また、強火で短時間に茹でるのもNGです。表面だけが先に加熱され、中心部分まで十分にアクが抜けません。さらに、茹で上がった直後に冷水で急激に冷やすのも避けたいポイントです。
急な温度変化は、えぐみが戻る原因になります。アク抜きで大切なのは、「弱火でじっくり」「途中で触らない」「鍋の中で自然に冷ます」という基本を守ることです。
失敗しないたけのこの茹で方
茹でる前にやっておく下準備
たけのこをおいしく茹でたいなら、最初の下準備はかなり大事です。といっても、難しいことはありません。まずは皮付きのまま、流水で表面の土や汚れをきれいに洗い流します。ここでゴシゴシ洗いすぎる必要はなく、軽くでOKです。
次に、穂先を5cmほど斜めに切り落とし、縦に1本、包丁でスーッと切れ目を入れます。この切れ目があるだけで、火の通りが良くなり、あとで皮をむくときもかなり楽になります。外側の皮は硬くて食べられなさそうですが、茹でるときはむかずにそのままで大丈夫です。
皮があることで、中の水分や旨みが守られ、えぐみも出にくくなります。「下準備って面倒そう」と感じがちですが、ここを丁寧にやっておくだけで、仕上がりの味がはっきり変わってきます。
鍋・水の量・火加減の目安
たけのこを茹でるときは、まず鍋選びが意外と大切です。できれば、たけのこが丸ごと無理なく入る深さのある鍋を使いましょう。ぎゅうぎゅうに詰めると、火の通りにムラが出やすくなります。水の量は、たけのこが完全に浸かるくらいたっぷり入れるのが基本です。少ない水で茹でると、アクが十分に外へ出にくくなります。
火加減は、最初だけ中火でOKですが、沸騰したらすぐ弱火に落とします。グラグラ煮立てる必要はなく、表面が静かにゆらゆらするくらいがちょうどいい状態です。強火のまま茹でると、外側だけ火が通って中にアクが残りがちになります。途中で混ぜたり、水を替えたりしたくなりますが、そこは我慢。火と時間に任せるほうが、えぐみの少ない仕上がりになります。
茹で上がりの見極め方と冷まし方
たけのこを茹でていると、「もう火が通ったかな?」と気になりますよね。そんなときは、根元の一番太くて硬そうな部分に、竹串や菜箸を刺してみてください。スッと抵抗なく通れば、ちょうどいい茹で上がりのサインです。もし少し引っかかる感じがあれば、あと10分ほど茹でて様子を見ましょう。
火を止めたあとは、すぐに鍋から取り出したくなりますが、ここは少し我慢です。そのまま茹で汁の中でゆっくり冷ますことで、えぐみが落ち着き、味がなじんできます。急いで冷水にさらしてしまうと、温度差でえぐみが戻ることがあるので注意が必要です。
完全に冷めてから取り出すことで、皮もむきやすくなり、下処理もスムーズに進みます。この「自然に冷ます」ひと手間が、仕上がりの差につながります。
たけのこの皮のむきかたと下処理のコツ

どこまで皮をむけばいい?基本の考え方
たけのこの皮をむくとき、「どこまで取ればいいの?」と迷う人は多いと思います。結論から言うと、無理に白い部分までむく必要はありません。基本は、硬くて茶色い皮だけを取り除けばOKです。内側にいくほど皮はやわらかくなり、そのまま食べられる部分になります。
見た目が少し茶色くても、指で触ってやわらかければ問題ありません。きれいにしようとしてむきすぎると、食べられる部分まで捨ててしまい、もったいない仕上がりになります。
外側の皮は、根元から上に向かって一枚ずつはがすようにすると、自然と必要なところだけ残ります。「これは食べられるかな?」と迷ったら、包丁で少し削ってみて、白くてやわらかければ残す、硬ければむく、くらいの気持ちで大丈夫です。
皮をむくベストなタイミング
皮をむくタイミングも、仕上がりに意外と影響します。おすすめなのは、たけのこが完全に冷めてから皮をむくことです。茹でたての熱い状態だと、身がやわらかく、力を入れたときに崩れやすくなります。鍋の中で自然に冷ましたあとで皮をむくと、皮と身の間にすき間ができ、驚くほどスルッとむけます。
手で簡単に外れる部分も多く、包丁を使う場面も減ります。急いでいるとつい熱いうちに作業したくなりますが、少し待つだけで失敗しにくくなります。時間に余裕があるなら、冷ましてからむく。このひと手間が、きれいな仕上がりにつながります。
えぐみを抑えるための下処理ポイント
皮をむいたあとの下処理も、えぐみを抑えるためには大切です。皮をむいた直後のたけのこは、切り口に少しアクが残っています。そのまま使うよりも、軽く流水で表面を洗い流すだけで、口当たりが良くなります。
その後、水に浸けてしばらく置いておくのもおすすめです。時間の目安は30分から1時間ほど。長く浸けすぎると風味が抜けてしまうので注意しましょう。また、保存する場合も、乾燥を防ぐことがポイントです。
空気に触れる時間が長いと、えぐみが戻りやすくなります。下処理は難しく考えず、「軽く洗う・短時間浸ける・乾かさない」を意識すると失敗しにくくなります。
たけのこの保存方法を正しく知ろう
保存前に必ずやっておきたい下処理
たけのこを保存するとき、「とりあえず冷蔵庫に入れれば大丈夫」と思いがちですが、実はここでの下処理がかなり重要です。まず大前提として、保存する前にアク抜きがきちんと終わっていることが必要です。
アクが残ったまま保存すると、時間が経つほどえぐみが強くなり、せっかくのたけのこが台無しになってしまいます。皮も、硬くて食べられない部分はしっかり取り除いておきましょう。皮をむいたあとは、切り口や表面を軽く流水で洗い、残ったアクやぬかを落とします。そのまま乾かさず、水に浸けておくのがポイントです。
乾燥すると、えぐみが戻りやすくなります。保存容器に移すときも、たけのこが空気に触れないよう、水を張るか、しっかり密閉することを意識してください。保存前のひと手間が、その後のおいしさを大きく左右します。
保存中にえぐみが出る原因とは
しっかりアク抜きをしたはずなのに、保存しているうちに「なんだかえぐくなった気がする」と感じることがあります。その原因の多くは、保存中の環境にあります。たけのこは空気に触れると、内部の成分が変化し、えぐみが出やすくなります。
特に、水に浸けずにラップだけで包んだ場合や、容器のフタがきちんと閉まっていない場合は注意が必要です。また、水に浸けて保存していても、水を替えずに放置すると、水の中に出たアクが再びたけのこに戻ってしまいます。
さらに、冷蔵庫の温度が高めだったり、開け閉めが多い場所に置いていると、劣化が早まることもあります。えぐみを防ぐには、「空気に触れさせない」「清潔な水を保つ」「早めに使い切る」という3つを意識するのがポイントです。
保存期間の目安と注意点
たけのこは下処理をきちんとしていても、あまり長く保存できる食材ではありません。冷蔵保存の場合、目安はだいたい3〜5日ほどです。「まだ見た目は大丈夫そう」と感じても、時間が経つにつれて風味は少しずつ落ちていきます。
保存している間は、毎日状態をチェックすることが大切です。水に浸けている場合は、水が濁っていないか、ぬめりが出ていないかを確認しましょう。もし酸っぱいにおいがしたり、触ったときに違和感があれば、もったいなく感じても食べるのは避けたほうが安心です。
また、「あとで使おう」と思って放置しがちですが、使う予定が先なら早めに冷凍保存に切り替えるのがおすすめです。たけのこは鮮度が味に直結する食材なので、「少し早めに使い切る」くらいの意識が、おいしく食べるコツになります。
冷蔵保存でおいしさを保つ方法
水に浸けて保存する基本方法
たけのこを冷蔵保存するとき、いちばん簡単で失敗しにくい方法が「水に浸けて保存するやり方」です。下処理が終わったたけのこは、そのまま冷蔵庫に入れるのではなく、必ず水に浸けて保存しましょう。乾燥するとえぐみが出やすくなるため、水で守ってあげるイメージです。
保存容器は、たけのこがすっぽり入るサイズのものを使い、完全に浸かるまで水を注ぎます。水が少ないと、空気に触れた部分から味が落ちてしまうので注意が必要です。フタ付きの容器がなければ、ボウルにラップをぴったりかけるだけでもOKです。
冷蔵庫では、できるだけ温度変化の少ない場所に置くと安心です。この方法なら、たけのこのみずみずしさを保ったまま保存しやすくなります。
毎日やるべき水替えのポイント
たけのこを水に浸けて冷蔵保存する場合、水替えは必ず毎日行いましょう。「昨日替えたから大丈夫」と思っていると、水の中に出たアクや汚れがたまり、えぐみが戻る原因になります。水替えのタイミングは、朝でも夜でも構いませんが、できるだけ同じ時間帯に行うと忘れにくくなります。
水を替えるときは、古い水を捨てて新しい水を注ぐだけでなく、たけのこの表面を軽く洗い流すのがおすすめです。ゴシゴシこする必要はなく、ぬめりや汚れを落とす程度で十分です。もし水が白く濁っていたり、においが気になる場合は、早めに使い切るか冷凍保存に切り替えましょう。毎日の水替えは少し手間ですが、このひと手間がえぐみを防ぎ、おいしさを保つポイントになります。
冷蔵保存できる期間の目安
下処理をきちんとして、水に浸けて保存していても、たけのこはずっともつ食材ではありません。冷蔵保存できる期間の目安は、だいたい3〜5日ほどです。毎日水を替えていても、少しずつ風味は落ちていきます。保存中は、見た目やにおいをこまめにチェックしましょう。表面にぬめりが出てきたり、酸っぱいにおいがした場合は、無理に食べず処分するのが安心です。
また、「数日後に使う予定だったのに予定が変わった」という場合は、早めに冷凍保存に切り替えるのがおすすめです。たけのこは鮮度が味に直結する食材なので、「まだ大丈夫そう」ではなく、「おいしいうちに使い切る」意識を持つことが、失敗しないコツです。
冷凍保存で長く楽しむコツ
冷凍に向いている切り方
たけのこを冷凍する場合は、切り方を少し意識するだけで、解凍後の使いやすさが大きく変わります。基本は、料理にすぐ使える大きさに切ってから冷凍することです。おすすめは、薄切りや短冊切り、いちょう切りなど。
大きな塊のまま冷凍すると、解凍に時間がかかり、食感も落ちやすくなります。また、繊維に沿って切るより、少し斜めに切るほうが、加熱したときにやわらかく感じやすくなります。
切ったあとは、水気をしっかり拭き取ってから保存袋に入れ、できるだけ空気を抜いて冷凍しましょう。最初にひと手間かけておくことで、凍ったままでもサッと調理できて、とても便利になります。
食感をできるだけ落とさない工夫
たけのこを冷凍するときに一番気になるのが、解凍後の食感です。何も考えずに冷凍してしまうと、水っぽくなったり、スカスカした感じになることがあります。これを防ぐために大切なのが、冷凍前のひと工夫です。
まず、切ったたけのこはキッチンペーパーなどで水気をしっかり拭き取ります。水分が多いまま冷凍すると、凍るときに細胞が壊れやすくなります。さらに、保存袋の空気をできるだけ抜くこともポイントです。空気が残っていると、冷凍焼けの原因になります。
場合によっては、軽く下茹でしてから冷凍するのもおすすめです。完全に生よりも、少し火を通したほうが、解凍後の食感が安定しやすくなります。
解凍方法とおすすめの使い方
冷凍したたけのこは、基本的に解凍せず、そのまま調理に使うのがおすすめです。自然解凍や電子レンジ解凍をすると、水分が一気に出てしまい、食感が悪くなりやすくなります。凍ったまま煮物や炒め物に入れることで、加熱と同時に解凍され、水っぽさを抑えられます。
特に、煮物や炊き込みご飯、炒め物との相性は抜群です。冷凍したたけのこは、生のものに比べてシャキッと感は少し落ちますが、味がしみ込みやすくなるというメリットもあります。用途としては、きんぴら、筑前煮、味噌汁の具などがおすすめです。冷凍保存は「食感より手軽さ」を重視した使い方を意識すると、満足度が高くなります。
まとめ
たけのこのえぐみが残ってしまう原因は、鮮度の低下やアク抜き不足、保存方法のちょっとしたミスにあります。収穫や購入後はできるだけ早く下処理を行い、弱火でじっくりアクを抜くことが大切です。
また、茹でたあとの冷まし方や皮のむき方、保存前の下処理を丁寧に行うことで、えぐみはかなり抑えられます。冷蔵保存では水に浸けて毎日水を替えること、長く保存したい場合は冷凍保存に切り替えることもポイントです。
少し手間はかかりますが、その分、たけのこのやさしい甘みや食感をしっかり楽しめます。基本を押さえておけば、家庭でも失敗せず、春の味覚をおいしく味わえます。
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