朝晩が少しずつ涼しくなり、秋の気配を感じはじめる9月。季節の変わり目は、体調や気分にも変化が現れやすい時期です。
この記事では、9月の特徴や行事、気をつけたい暮らしのポイントなどをわかりやすくまとめました。夏から秋へとうつり変わるこの時期を、無理せず心地よく過ごすためのヒントをお届けします。
9月はどんな季節?自然の変化と暮らしの特徴
9月は暦のうえでは「秋」の始まり。とはいえ、日中はまだ暑さが残り、朝晩はひんやりと感じる日も。夏から秋へのゆるやかな移ろいを感じながら、季節の変化に合わせて体調を整えていくのがポイントです。
二十四節気の「白露」「秋分」など、暦のリズムに目を向けてみると、自然とのつながりも感じられるかもしれません。
気温の変化と体調管理のポイント
朝晩が涼しく感じられる日が増え、秋の気配がふわっと漂いはじめる9月。でも、日中はまだ夏のような暑さが残る日も多く、気温差に体がついていかない…なんて声もよく聞きます。
こんな時期は、体調を崩しやすい“季節の変わり目”の典型。寝冷えやだるさ、のどの不調を感じたら要注意です。
服装は、朝晩に備えて軽めの羽織りものをプラスした“調節しやすいスタイル”がおすすめ。寝具もタオルケットだけだと寒い日もあるので、少し厚めの布団を出す準備をしておくと安心です。
冷たい飲み物のとりすぎも体を冷やす原因に。温かいお茶や汁物でおなかをホッとさせてあげるのも、季節の上手な乗り切り方ですよ。
二十四節気「白露」「秋分」ってどんな時期?
9月は、二十四節気で見ると「白露(はくろ)」と「秋分(しゅうぶん)」のふたつの節気が含まれます。どちらも秋の深まりを感じさせる節目です。
「白露」は9月上旬ごろで、草や葉に朝露が降りるようになり、朝晩の空気がひんやりと感じられる頃。日中はまだ暑くても、空の高さや虫の声など、自然の変化に秋の気配があらわれてきます。
続く「秋分」は9月下旬ごろで、昼と夜の長さがほぼ同じになる日。この日を境に夜が少しずつ長くなり、秋が本格化していきます。お彼岸の中日でもあり、ご先祖様を敬う風習があるのもこの時期です。
自然とともに、暮らしのリズムも少しずつ秋仕様にシフトしていく9月。季節の移ろいを意識して、過ごし方や食事、体調管理にも目を向けてみましょう。
9月の主な行事と年中行事の楽しみ方
秋の気配が深まる9月は、日本の風習や行事も豊かに感じられる時期。防災の日に備えを見直したり、重陽の節句で長寿を願ったりと、季節を感じる行事が目白押しです。
行事をただ“こなす”のではなく、意味や由来にふれてみると、日々の暮らしに新たな視点が生まれるかもしれません。
防災の日(9月1日)で見直す備えと心構え
毎年9月1日は「防災の日」。1923年の関東大震災にちなんで制定されたこの日は、自然災害への備えを見直す良いきっかけになります。
台風や大雨、地震など、日本に住んでいる以上、いつ起きてもおかしくない災害。特に9月は台風シーズン真っ只中なので、気を引き締めておきたいところです。
この日には、非常食や水の賞味期限のチェック、持ち出し袋の中身の見直し、家族での避難ルート確認などをしておくと安心。マンションや集合住宅では、避難場所や地域のハザードマップを再確認するのもおすすめです。
いざというときに慌てないように、「備えあれば憂いなし」を意識して、小さな準備から始めてみましょう。
重陽の節句(9月9日)に楽しむ菊と秋の味覚
9月9日は「重陽の節句(ちょうようのせっく)」と呼ばれ、古くから無病息災や長寿を願う日とされています。五節句のひとつですが、今ではあまり知られていないかもしれませんね。
「重陽」とは、“陽”の数字「9」が重なる縁起の良い日。平安時代には宮中で菊を眺めたり、菊の花びらを浮かべたお酒を楽しんだりしていたそうです。
現代でも、9月はちょうど菊の花が見頃の時期。飾ったり、食用菊を使った料理を楽しんだりして、季節を感じてみるのもいいですね。
また、この時期は栗やナスなど秋の味覚が豊富!食卓に取り入れるだけでも、重陽の節句らしい雰囲気になりますよ。
年中行事としては忘れがちですが、「小さな節句を楽しむ心」が日々の暮らしを豊かにしてくれるかもしれません。
秋のお彼岸と先祖をしのぶ習わし
「お彼岸(ひがん)」は春と秋、年に2回ある仏教の行事。秋のお彼岸は秋分の日(9月22日頃)を中日として、その前後3日ずつを合わせた7日間を指します。(2025年の秋分の日は9月23日)
この時期は、太陽が真西に沈むことから「あの世(彼岸)とこの世(此岸)がもっとも近づく日」ともいわれ、先祖をしのぶのにふさわしい時期とされてきました。
お墓参りに行くのはもちろん、自宅で手を合わせたり、おはぎを作って供えたりするのもよいですね。ちなみに秋は「こしあんのおはぎ」、春は「つぶあんのぼたもち」といった違いもあります。
忙しくてお墓に行けない方も、家で静かに手を合わせるだけでも気持ちは届くもの。自然の移ろいとともに、心を落ち着ける一週間にしてみませんか。
秋の味覚と季節行事を楽しもう
9月後半になると、空気も少しずつ秋らしくなってきます。お彼岸や敬老の日、中秋の名月といった行事が続き、旬の食材も豊富に。
気候が落ち着いてくるこの時季こそ、季節の恵みや行事を暮らしに取り入れて、心も体もほっとできる時間を過ごしたいですね。
お月見(中秋の名月)はいつ?9月〜10月にかけての風物詩
「お月見」として親しまれる十五夜(中秋の名月)は、毎年日にちが変わります。旧暦8月15日にあたり、現代のカレンダーでは8月下旬から10月上旬ごろにやってくることが多い行事です。
特に晴れやすい9月にあたる年は、お月見にぴったりのシーズン。空気も澄んで、まんまるのお月さまがいっそう美しく見えます。
この時期には、すすきを飾ったり、月見だんごや旬の野菜・果物を供えたりと、秋の収穫に感謝する意味も込められています。おうちでも簡単にできるので、夜空を見上げるきっかけとして気軽に取り入れてみるのもおすすめです。(2025年は10月6日が十五夜)
敬老の日は家族を思うやさしい時間に
毎年9月の第3月曜日は「敬老の日」。高齢の家族を敬い、長寿を祝う日として制定されています。直接会いに行ったり、手紙やプレゼントを贈ったりと、気持ちをかたちにして伝える機会にしたいですね。
また、コロナ禍以降は「会えないけど気持ちは届けたい」と、オンライン通話や写真入りメッセージカードを活用する人も増えました。身近な工夫で、やさしい時間を分かち合えると素敵です。
秋のはじまりに感じる“こころの変化”
なんだか理由もなくさびしい…そんな気分になるのが秋の入り口だったりします。涼しい風や空の色に、気持ちがふっと静かになる季節。
気分が落ち込みがちなときは、無理に元気を出そうとせず、まずは自分を甘やかす時間を作ってみて。ちょっとした心のメンテナンスが、秋を心地よく過ごすカギになるかもしれません。
秋に寂しくなるのはなぜ?心のしくみと対処法
なんだか切ない気分になる…そんな“秋のもの悲しさ”を感じたこと、ありませんか?実はこれ、気のせいじゃないんです。
日が短くなると、脳内のセロトニン(幸せホルモン)が減りやすくなり、気分が沈みやすくなるといわれています。さらに、夏の開放感が終わり、ふと我に返るタイミングでもあるため、心がセンチメンタルに傾きやすいのだとか。
そんなときは、無理に元気を出そうとせず、「そういう時期なんだな」と受け止めるのがコツ。秋の香りや音、風景を感じながら、ちょっと丁寧に日々を過ごしてみてください。お気に入りの飲み物や音楽で“自分を甘やかす時間”をつくるのもおすすめですよ。
季節の変わり目にやさしく過ごす工夫
夏から秋へ、季節の移り変わりって意外と体にも心にもこたえるもの。朝晩の冷え込みに体がついていかなかったり、なんとなく気分が落ち着かない日が続いたり…。そんな時期は、がんばりすぎず、ちょっとスローペースで過ごすくらいがちょうどいいかも。
たとえば、夜は湯船に浸かって体をじんわり温めるとか、冷たい飲み物を控えて常温やホットに変えるのもおすすめ。
服装も「ちょっと寒いかも?」と感じたらすぐ羽織れるものを手元に置いておくと安心です。心も体も、ゆっくり秋モードに切り替えていきましょう。
9月におすすめの家しごと・暮らしの工夫
暑さが落ち着いてくる9月は、家の中のことを少し見直すのにぴったり。夏物をきちんと片付けて、秋支度をはじめたり、洗濯習慣を気温に合わせて変えたり。
忙しくなる前のこの時期に、暮らしを整えておくと、季節の変化にも慌てずに対応できます。小さな工夫で、毎日がもっと快適になるはず。
夏物の片付けと秋支度のポイント
暑さが落ち着いてくると、そろそろ夏物を片づけたくなりますよね。でも、汗を吸ったままの服や寝具をそのまましまうと、翌年出したときにがっかり…なんてことも。しっかり洗って、カラッと乾かしてから収納するのが鉄則です。
とはいえ、日中はまだ暑い日もある9月。すぐに全部しまわず、夏服は“着ないけどまだ必要かも”なものを手前に残しておくと安心。
いっぽうで、朝晩に羽織りたくなる薄手の長袖やブランケットなどは、すぐ出せる場所に。季節の変わり目は、服も寝具も“行ったり来たり”が基本。焦らず、ゆるやかに秋支度を始めましょう。
洗濯の見直しどき!夏と秋の洗濯習慣の違い
夏は毎日汗だく、洗濯回数も多めで“におい対策”が最優先。でも秋になると気温も湿度も落ち着いて、洗濯スタイルを少し見直すタイミングです。
まず乾きにくさ。秋は天気が不安定で、洗濯物が乾くのに時間がかかりがち。とくに厚手の服やタオルは、部屋干し用の工夫やサーキュレーターの出番かも。
また、夏のようにこまめに洗わなくてもOKなぶん、洗剤の種類や洗う頻度を見直すのもアリ。秋は“皮脂やにおい”より“ホコリや花粉”のほうが気になる時期でもあるので、衣替えを機にフィルター掃除や洗濯槽のリセットもおすすめです。
まとめ
9月は、夏から秋へと暮らしのリズムが少しずつ変わる時期。季節の移り変わりを意識するだけでも、毎日の家事や心の持ちようがぐっとラクになります。
行事を通じて、家族や自然とのつながりを感じるのもこの時期ならではの楽しみ。無理をしすぎず、自分にやさしく。そんな9月の暮らしが、きっと次の季節を心地よく迎える準備になるはずです。
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