手作り化粧水は「シンプルな材料で作れてコスパも良い」と人気がありますが、実は正しい知識がないと肌トラブルにつながることもあります。特にグリセリンは保湿力の高い成分ですが、濃度や扱い方を間違えるとベタつきや刺激の原因になることも。
この記事では、グリセリンを使った手作り化粧水の基本から、肌タイプ別の使い方、トラブル時の対処まで、初めての人でも安心して使えるポイントをわかりやすくまとめました。
市販品のような余計な成分が入っていないからこそ、丁寧に作れば肌がしっとり落ち着く心地よさが実感できます。自分の肌に合った濃度や使い方を見つけ、毎日のスキンケアをもっと快適にしていきましょう。
手作り化粧水はどんなもの?

手作り化粧水のメリット
手作り化粧水の最大の魅力は「シンプルな材料で作れる安心感」と「続けやすいコスパの良さ」です。基本材料は、精製水とグリセリンだけ。市販の化粧水にはさまざまな成分が入っていますが、手作りなら必要なものだけを選べるため、肌に合う・合わないの判断もしやすくなります。
また、材料費が安いので、大容量でも気兼ねなく使えるのも嬉しいポイント。顔だけでなく、手や腕などにもたっぷり使えるため、乾燥しやすい季節に特に役立ちます。
さらに、自分の肌質に合わせて濃度を調整できることも大きなメリット。乾燥が気になる日はしっとりめに、暑い季節はさっぱりめにと、その日の状態に合わせてカスタマイズ可能です。肌の変化に寄り添える柔軟さは、市販ではなかなか代えがたい魅力と言えるでしょう。
手作り化粧水の注意点(保存・衛生)
手作り化粧水は成分がシンプルなぶん、市販品よりも傷みやすいという特徴があります。そのため、作るときも使うときも「衛生管理」がとても大切です。
まず、使用するボトルや計量スプーンは、必ず煮沸消毒やアルコール消毒を行い、清潔な状態にしておきましょう。これを怠ると、雑菌が増えて化粧水の劣化が早まる原因になります。また、化粧水を作った後は冷暗所か冷蔵庫で保管し、できるだけ早く使い切ることが大切です。
一般的には、手作り化粧水の使用期限は「1〜2週間」が目安です。香りや色が変わったり、違和感を感じた場合は無理に使わず、すぐに処分してください。また、直接手で容器の口に触れると雑菌が入りやすくなるため、手は清潔にした状態で扱うことがポイントです。安全に長く使うためには、少量ずつ作ってこまめに使い切る習慣をつけると安心です。
グリセリンを使う理由
グリセリンの保湿力
グリセリンが手作り化粧水に欠かせない理由は、その高い保湿力にあります。グリセリンは水分を引き寄せて保持する「吸湿性」に優れており、乾燥しがちな肌にしっかりうるおいを届ける働きがあります。精製水だけを肌につけてもすぐに蒸発してしまいますが、グリセリンを少量混ぜることで水分が肌にとどまりやすくなり、しっとり感が続きやすくなるのが特徴です。
さらに、グリセリンは肌表面に薄い保護膜を作るため、外部の乾燥から肌を守る役割もあります。市販の化粧水にも頻繁に使われる成分ですが、手作りなら自分の肌に合わせて濃度を調整できるのが魅力です。
乾燥肌の方は少し濃度を上げ、脂性肌の方は軽めに、と細かく調整できるのは手作りならではのメリット。保湿力が高く、刺激が比較的少ないため、スキンケア初心者でも扱いやすい成分といえます。
濃度で変わる仕上がりの違い
グリセリン化粧水の魅力のひとつが「濃度を調整するだけで仕上がりが大きく変わる」という点です。グリセリンは保湿力が高い反面、入れすぎるとベタつきや重さを感じることがあります。そのため、自分の肌質や季節に合わせて濃度を変えることで、使い心地を最適に保つことができます。
一般的に、乾燥肌の方はグリセリン濃度をやや高めの5〜10%に設定すると、しっとり感が持続しやすくなります。一方で、脂性肌や夏場などは1〜3%の軽めの濃度にすることで、ベタつきを抑えたさっぱりした使用感に調整できます。
また、敏感肌の場合は、最初は1%程度のごく薄い濃度から試し、様子を見ながら少しずつ増やすのが安心。グリセリンの量を変えるだけでテクスチャーが大きく変わるため、肌状態に合わせて“オーダーメイド”のように使い分けられるのが手作り化粧水のよさでもあります。濃度の調整さえ覚えておけば、季節を問わず一年中快適に使い続けることができます。
必要な材料と準備

精製水とグリセリン
手作り化粧水に欠かせない基本の材料が「精製水」と「グリセリン」です。まず精製水は、不純物をできる限り取り除いた水のことで、ドラッグストアで手軽に購入できます。水道水を使うこともできますが、水道水にはミネラルや微量の不純物が含まれており、化粧水の保存性や安定性に影響が出る可能性があります。そのため、肌への負担を減らしたいなら精製水を選ぶのが安心です。
一方、グリセリンは高い保湿力を持つ成分で、手作り化粧水のしっとり感を決める鍵になります。肌の水分を引き寄せて保持する働きがあるため、乾燥を防ぐには欠かせない存在です。ただし、入れすぎるとベタつきや重たさの原因になるため、適量を守ることが重要です。
精製水とグリセリンだけでも十分に保湿力のある化粧水が作れるので、まずは基本の組み合わせから試してみるのがおすすめです。
容器の選び方と消毒の仕方
手作り化粧水を安全に長く使うためには、「どんな容器を使うか」と「どれだけ清潔に保てるか」がとても大切です。まず容器は、密閉できて中身が光に触れにくいタイプがおすすめです。
ガラス製の遮光ボトルが理想的で、匂い移りしにくく雑菌が繁殖しにくいため、化粧水の品質を保ちやすいというメリットがあります。プラスチック容器でも構いませんが、長期間の使用で劣化しやすいことを覚えておきましょう。
容器を使う前には必ず消毒を行います。手軽なのはアルコール消毒で、容器の内側にスプレーするだけでOKです。ガラス容器の場合は、熱湯をかけて煮沸消毒する方法もありますが、急激な温度変化で割れることがあるため注意が必要です。
どちらの方法にしても、消毒後はしっかり自然乾燥させ、水分を残さないようにしておくことがポイントです。清潔な容器で作った化粧水は持ちもよく、安心して毎日のスキンケアに使えます。
基本の手作り化粧水レシピ
作り方の手順
手作り化粧水の作り方はとてもシンプルで、初心者でも失敗しにくいのが魅力です。まず、清潔に消毒した容器を用意し、そこに精製水を必要量だけ入れます。次にグリセリンを計量し、精製水に加えます。このとき、グリセリンは少しとろみがあり混ざりにくいため、容器に入れたらふたをしてしっかり振るのがポイントです。全体が均一に混ざったら、基本の化粧水は完成です。
とても簡単ですが、材料を入れる順番と清潔さを保つことが、美容効果をしっかり発揮させるためには欠かせません。また、作る量は多すぎると使い切れずに品質が落ちやすいため、最初は少量(50〜100mlほど)を作るのがおすすめです。
慣れてきたら、お好みで保湿成分をプラスしたり、香りづけに精油をほんの少し加えたりするなど、アレンジを楽しむこともできます。ただし、精油を使用する際は肌への刺激があるため必ず濃度を守り、敏感肌の場合は避けるなど注意が必要です。
グリセリンの適正量・濃度の目安
手作り化粧水を快適に使うためには、グリセリンの濃度を適切に調整することがとても大切です。濃度が高すぎると重くベタついた仕上がりになり、逆に低すぎると保湿力が物足りなく感じることもあります。
基本の目安としては、グリセリン1〜5% が使いやすい範囲です。例えば100mlの化粧水を作る場合、グリセリンは1ml〜5ml程度が適正量になります。
乾燥が気になる人や冬場は、少し濃度を高めて3〜5%に設定すると、しっとり感が長続きしやすいです。一方、脂性肌の人や夏場は1〜2%程度にすると、ベタつきを抑えながらも適度な保湿力を維持できます。敏感肌の場合は、まず1%以下の薄い濃度で様子を見て、肌に違和感がなければ少しずつ濃度を上げていくのが安心です。
また、グリセリンを多く入れれば保湿力が高まるわけではなく、入れすぎると刺激になることもあるため、肌質に合わせた調整が欠かせません。
保存方法と使用期限
手作り化粧水は、防腐剤を使わない分だけ肌への負担が少なく安心して使えますが、そのぶん 保存方法と使用期限の管理がとても重要 になります。まず基本は、直射日光を避け、温度変化の少ない場所で保管すること。冷蔵庫に入れるのが一番安全で、雑菌の繁殖を抑えやすくなります。また、容器の口に触れたり、開封後に放置したりすると劣化が早まるため、使用時は清潔な手で扱うことも忘れずに。
保存期間の目安は、冷蔵庫で1〜2週間。防腐剤を入れていないため、市販の化粧水のように長期間の保存はできません。においが変わったり、濁りが出たり、分離がいつもと違うと感じた場合は、無理に使わず新しく作り直すのが安全です。また、外出用として小分けする場合は早めに使い切る量だけにして、こまめに作り直す習慣をつけると安心です。新鮮な状態の化粧水は肌なじみが良く、手作りならではのやさしい使い心地をしっかり実感できます。
肌タイプ別の使い方のコツ
乾燥肌におすすめの使い方
乾燥肌の人が手作り化粧水を使うときは、「水分をしっかり補いながら、蒸発しないように工夫する」ことが大切です。化粧水そのものは水分補給が目的なので、“つける量をケチらない”のがポイント。まずは手のひらにたっぷりと出し、両手で少し温めてから顔を包み込むように優しくなじませます。重ね付けをすると、肌の内側まで水分が届きやすくなり、ふっくらとした触り心地に近づきます。
グリセリンの濃度は 3〜5% が目安。しっとり感が長持ちし、つっぱりにくくなります。ただし、濃度を上げすぎるとベタつきが気になる場合もあるので、まず3%程度から試して好みに合わせて調整すると安心です。乾燥がひどい季節は、化粧水のあとに乳液やクリームを重ねて水分を逃さない“フタ”をしましょう。
また、入浴後すぐの「肌が乾きやすいタイミング」で使うと浸透性が高まり、より効果的。手作り化粧水は肌に優しい反面、保湿力が市販品より控えめなこともあるため、こまめに使って水分補給を続けることが乾燥対策のコツです。
脂性肌が気をつけたいポイント
脂性肌の人が手作り化粧水を使うときは、「水分はしっかり補給しつつ、ベタつかせない」バランスがポイントになります。グリセリンは保湿力が高い成分ですが、濃度が高すぎるとテカリや皮脂浮きの原因になることも。そのため、グリセリン濃度は1〜2% が使いやすく、さっぱりしたみずみずしい仕上がりになります。まずは薄めの濃度から試して、肌の様子にあわせて微調整しましょう。
使うタイミングは、洗顔後すぐの“乾燥しやすい瞬間”がおすすめ。皮脂が多い肌ほど乾燥を感じにくいですが、水分が不足すると逆に皮脂分泌が増えてしまうため、手作り化粧水で適度にうるおいを補給することが皮脂バランスを整えるコツです。顔全体にたっぷりつける必要はなく、特に乾燥しやすい頬を中心に、Tゾーンは軽めに仕上げるとベタつきを防げます。
また、脂性肌の人は“油分の重ねすぎ”にも注意。乳液やクリームは薄く控えめに使い、季節によっては化粧水だけで十分な日もあります。軽いテクスチャーの手作り化粧水なら、皮脂が気になる肌にも心地よく使えるはずです。
敏感肌向けの低刺激な使い方
敏感肌の人が手作り化粧水を使うときは、「刺激を最小限にすること」が一番大切です。市販品より成分がシンプルである点はメリットですが、その分、防腐剤が入らないことで菌が増えやすく、肌にとって負担になる場合もあります。まずは 必ずパッチテストを行い、腕の内側で24時間様子を見る ところから始めましょう。
グリセリンは刺激が少ない成分ですが、濃度が高過ぎるとピリつきを感じることがあります。そのため敏感肌の場合は 1%前後のほんの少量からスタート し、肌が問題なく受け入れられるかを確認しながら調整するのが安心です。また、精製水と容器は衛生管理がとても重要。使用前にしっかり消毒した容器を使い、化粧水は 1週間以内で使い切る少量作成 がトラブルを防ぐコツです。
塗り方もポイントで、こすらず、手のひらで包み込むように優しく広げます。赤みやかゆみがある日は無理をせず、使用を控えることも大切です。敏感肌は季節や体調でコンディションが変わりやすいので、日によって量を調整する柔軟さを持つと、より快適に手作り化粧水を取り入れられます。
手作り化粧水が合わないときの対処
肌トラブルが出た場合
手作り化粧水を使っていて、赤み・かゆみ・ピリつき・ほてりなどの違和感が出た場合は、まず すぐに使用を中止する のが鉄則です。どんなに成分がシンプルでも、肌の状態や季節、体調によって刺激になることがあります。特に手作り化粧水は防腐剤を含まないため、菌が増えやすく、時間が経つほど肌への負担が大きくなる場合があります。
トラブルが起きたら、まずはぬるま湯で優しく洗い流し、肌を休ませます。冷やしタオルや保冷剤(タオルに包む)を使って 軽く冷却 するのも効果的です。保湿は、成分のシンプルなワセリンや敏感肌向けクリームを少量使う程度にとどめ、肌に触れすぎないようにしましょう。
症状が数日続く、悪化する、水ぶくれが出るなどの場合は、必ず皮膚科を受診 してください。原因がグリセリンの濃度なのか、衛生面なのか、または別の刺激なのか判断してもらうことで、今後のケアにも役立ちます。肌トラブルは早めの対処がとても大事なので、無理に続けないことが回復の近道です。
使用をやめる目安
手作り化粧水を使っていて「なんとなく合わない」と感じたときは、早めに見極めることが大切です。明らかな赤みやひりつきがなくても、乾燥が進む・肌がつっぱる・ざらつきが増える といった細かな変化は、肌が負担を感じているサインの可能性があります。特に、作ってから日数が経った化粧水は衛生面のリスクが上がるため、匂いの変化や濁りを感じたらすぐに処分するのが正解です。
また、季節の変わり目や体調不良のタイミングでは、普段は平気な濃度でも刺激につながることがあります。そんな時は 使用頻度を減らして様子を見る か、いったん中止して肌の回復を優先しましょう。敏感な状態の肌に無理をさせるのは逆効果です。
もし数回続けても違和感が残る、少しずつトラブルが増えていく場合は、「肌に合っていない」と判断して使用をやめるのが安心です。手作り化粧水はシンプルだからこそ、肌との相性が出やすいもの。無理に続けず、肌のサインをしっかり見ながら取り入れていきましょう。
まとめ
手作り化粧水は、精製水とグリセリンというシンプルな材料で作れるうえ、コストも控えめで使い心地を調整できるのが魅力です。ただし、防腐剤が入らない分、衛生管理や保存期間に注意が必要です。肌タイプに合わせて濃度を調整し、異変を感じたらすぐに使用を中止するなど、無理をしないことが大切です。
乾燥肌・脂性肌・敏感肌など、肌の状態に合わせた使い方を意識すると、手作り化粧水の良さを最大限に引き出せます。自分の肌に寄り添うような、やさしいスキンケア習慣を取り入れていきましょう。
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