ジェルネイルはツヤが長持ちし、どんなデザインも美しく決まる人気のネイル方法です。「サロンに行かなくても、自分でできたらいいのに…」と思ったことがある人も多いのではないでしょうか。
実は、正しい手順さえ知れば、自宅でもサロン級の仕上がりが十分叶います。ただし、準備不足やよくあるミスによって持ちが悪くなったり、剥がれやすくなったりすることも。
そこでこの記事では、初心者でも失敗しにくいジェルネイルの基本、下準備から一色塗りのやり方、きれいに落とすオフの工程、部分的に直せるリペア方法まで丸ごと丁寧に解説します。これさえ読めば、自宅ネイルがもっと楽しく、もっと快適になりますよ。
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ジェルネイルとは

ネイルには主にマニキュア(ポリッシュ)、アクリル(スカルプ)ネイル、ジェルネイルの3種類があります。
ジェルネイルは、新しいアートネイルの技法のひとつで、マニキュアよりも剥がれにくく持ちがよく、アクリルネイルよりもオフが簡単です。
「ジェル」とは、合成樹脂のことで、水飴(ゲル)のような粘度を持ち、紫外線(UV)や可視光線(LED)に反応して硬化する性質があります。
ジェルネイルは地爪をジェルでコーティングする手法が主流で、爪の上にジェルを塗って専用のUVライトで固めることで、長時間艶と輝きを楽しめます。
自爪を強化したり、自爪よりも長い人工爪を作ることができます。爪に厚みができますが、見た目は「自分の爪だわ!」と思えるほど自然な仕上りで、3週間も美しく保つことができます。
セルフジェルネイルが人気の理由
セルフジェルネイルが人気を集めている理由はいくつかありますが、最大の魅力は「サロン級の仕上がりが自宅でできる」点です。市販のジェルやライトの品質が上がり、初心者でも扱いやすいアイテムが増えたことで、自宅でもプロに近いツヤや持ちの良さを再現できるようになりました。
また、サロンに通う時間や費用を節約できるのも大きなメリットで、デザインやカラーを自由に試せる“気軽さ”が多くの人に支持されています。さらに、SNSや動画でも手順が分かりやすく紹介されるようになり、独学で楽しむ人も急増。自分のペースでゆっくり取り組めるのもセルフならではの魅力です。
失敗しながら上達していく過程も楽しく、ハンドメイド感覚でネイルを楽しむ人が増えています。ジェルネイルにはスカルプやマニキュアのような強い臭いもないので、自宅でも気軽に楽しむことができます。ひとつずつ揃えるのは手間ですが 、すぐに始められる「ジェルネイルキット」がネットでも購入できますし、必要な用品はすべて揃えることができます。
ジェルネイルで爪は痛むの?
ジェルネイルは「爪が傷む」というイメージを持たれがちですが、正しい知識と適切なケアを行えば、過度に傷むことはありません。実際に爪が弱くなる原因の多くは、ジェルそのものではなく、誤ったサンディングやオフの方法によるダメージです。
例えば、爪の表面を削りすぎたり、無理に剥がすようにオフしたりすると、爪の層が薄くなり割れやすくなります。また、油分を取りすぎて乾燥が進むと、もろくなることもあります。大切なのは「必要以上に削らない」「丁寧にオフする」「保湿をする」という基本を守ること。
自爪に優しい“ノンサンディングジェル”も増えており、適切に使えばダメージを最小限に抑えられます。正しい知識を持てば、ジェルネイルは安心して長く楽しむことができます。
ジェルネイルとアクリルネイル(スカルプ)の違い
ジェルネイルとアクリルネイル(スカルプチュア)は、どちらもネイルの仕上がりを美しくする人気の技法ですが、使う素材や仕上がりの特徴がはっきり異なります。
ジェルネイルはライトで硬化する樹脂を使い、ぷるんとした厚みとツヤが特徴。自爪に自然になじみ、柔軟性があるため、日常生活でも剥がれにくく初心者でも扱いやすいのが魅力です。一方、アクリルネイルはアクリルパウダーとリキッドを混ぜて固める技法で、強度が高く長さを出すのに向いています。サロンではスカルプチュアとして知られ、ロングネイルや複雑なアートを楽しみたい人に選ばれることが多いです。
ただし、扱いが難しく硬化時に独特のにおいがある点から、セルフではややハードルが高め。目的に合わせて選ぶのがポイントです。
ジェルネイルの下準備 プレパレーションの手順
衛生管理:手指消毒とサロン級の清潔準備
ジェルネイルの仕上がりや持ちを左右するのは、実は最初の「衛生管理」です。手指が汚れたままだとジェルが浮きやすくなり、せっかくのネイルが長持ちしません。まずはハンドソープで手を洗い、しっかり水分を拭き取ります。
その後、エタノールなどの消毒液を使って手と指先を軽く消毒しましょう。特に爪周りは皮脂や汚れが残りやすいので、コットンに消毒液を含ませて丁寧に拭くのがポイントです。これにより雑菌が繁殖しにくくなり、衛生的な状態で施術を進められます。
また、使う道具の消毒も忘れずに。プッシャー、ニッパー、ファイルなど、爪に直接触れる道具は必ず清潔に保ちましょう。サロンでも徹底しているこの工程は、セルフネイルでも品質を高める大切なステップです。
<用意するもの>
- コットン
- エタノール
- メタルプッシャー(甘皮処理)
- エメリーボード(爪やすり)
- 目の粗いファイル(サンディング用爪やすり)
- ダストブラシ
- ジェルクリーナー
- プレプライマー(爪の消毒、ジェルの持ちがよくなる)
甘皮処理:甘皮を押し上げて美しい仕上がりへ

甘皮処理はジェルネイルの仕上がりを大きく左右する重要な工程です。甘皮が残ったままジェルを塗ると、その部分だけ浮きやすくなり、持ちが悪くなる原因になります。
まずは指先をぬるま湯につけて甘皮をふやかし、乾燥して硬くなった部分を柔らかくします。その後、キューティクルリムーバーを甘皮周りに塗り、プッシャーを使って優しく押し上げます。このとき力を入れすぎると皮膚を傷つけてしまうので、表面をなぞるようにゆっくり行うのがポイントです。
押し上げた後は、余分なルースキューティクル(薄い角質)を取り除き、爪の根元がすっきり整います。甘皮処理がしっかりできていると、根元まできれいにジェルを塗れ、見た目も美しく仕上がります。
下準備の仕上げ:形を整え、サンディングして油分を除去

ジェルネイルの持ちを良くするためには、最後の下準備である“形を整える・サンディング・油分除去”が欠かせません。まずはエメリーボードを使って爪の長さを整えます。削る方向は一定にし、行ったり来たりすると爪が割れやすくなるので注意が必要です。
次に、スポンジファイルで爪の表面を軽くサンディングします。ここでは削りすぎないことがポイントで、あくまで「ジェルが密着しやすくなる程度」に表面のツヤを消すだけで十分です。サンディング後に出た細かいダストは、ダストブラシで丁寧に払います。
そして最後に、エタノール入りのクリーナーで油分と汚れを拭き取り、清潔な状態に仕上げます。この工程をしっかり行うことでジェルが浮きにくくなり、サロン級の持ちを叶える準備が整います。
ジェルネイル(一色塗り)の基本手順
密着を高めるベースジェルの塗り方

ベースジェルは、ジェルネイルの持ちを左右する最も重要な工程といっても過言ではありません。まず筆に取りすぎないように注意し、薄く均一に塗ることがポイントです。
根元から先端に向かって滑らせるように広げ、特にキワの部分はジェルが皮膚につかないよう、筆先を使って丁寧に調整します。厚塗りをすると硬化不良を起こしやすく、剥がれや浮きの原因になるため、あくまで「薄く・均一に」を意識しましょう。
塗り終えたらライトでしっかり硬化します。ライトによって硬化時間が異なるため、メーカーの推奨時間を守ることも大切です。また、爪先(エッジ)にジェルを塗って“先端をコーティング”しておくと、日常生活で剥がれにくくなり、持ちが格段に良くなります。このひと手間が、長持ちネイルのカギです。
<用意するもの>
- ベースジェル
- カラージェル
- UVライト
ムラを抑えるカラージェルの塗り方
カラージェルをムラなく塗るためには、「量」と「筆の動かし方」を意識することが大切です。まず、ジェルを筆に取りすぎると一部分だけ厚くなって流れやすくなるため、最初は少なめに取るのがおすすめです。
爪の中央にジェルを置き、そこから左右へ筆を広げるように動かすと、自然に均一な厚みが作れます。また、根元は筆先を立てるようにすると、キワまで丁寧に塗れて見た目がぐっと美しくなります。一度塗りで完璧に仕上げようとせず、薄く二度塗りすることで発色が均一になり、厚みも出すぎず扱いやすい仕上がりに。
硬化の際は、指先を軽く下向きにするとジェルが流れにくく、根元がきれいに整います。丁寧な薄塗りを重ねることが、プロのようなムラのないカラーを作る秘訣です。
長持ちさせるトップジェルの仕上げ方
トップジェルはジェルネイルのツヤと強度を決める仕上げの工程です。ここで丁寧に塗れるかどうかで、持ちや見た目の美しさが大きく変わります。まず、トップジェルはベースやカラーより少しだけ量を多めに取り、爪の表面を“包み込む”ように塗るのがポイントです。
特に爪先(エッジ)をしっかりコーティングしておくと、生活の中での衝撃からジェルが守られ、欠けや剥がれを防げます。また、表面が波打ったり気泡が入ったりしないよう、筆圧は軽く、ゆっくりと滑らせるように動かすと美しいツヤが出ます。
塗り終えたら、ライトでしっかり硬化します。ノンワイプタイプの場合はそのまま完成し、拭き取りが必要なタイプは最後にクリーナーで未硬化ジェルを除去して仕上げます。トップジェルの丁寧な仕上げが、長持ちネイルの決め手です。
ジェルネイルのオフ
ジェルネイルを落とす正しいプロセス
ジェルネイルを傷めずに落とすためには、正しい手順を踏むことがとても大切です。自己流で無理やり剥がしてしまうと、爪の表面も一緒にはがれてしまい、薄くなったり欠けやすくなったりする原因になります。
まずは爪の表面を軽くサンディングして、トップジェルのつるつるした層を削ります。これを行うことで、リムーバーが浸透しやすくなり、オフの時間がぐっと短縮されます。その後、コットンにジェルリムーバーを含ませ、爪に密着させたらアルミホイルで指先を包みます。
放置時間はメーカーによって異なりますが、だいたい10〜15分が目安です。時間が経ったらアルミを外し、ふやけたジェルをプッシャーで優しく押し上げます。無理に取れない部分は再度リムーバーを浸透させればOK。焦らず丁寧に進めることで、爪に負担をかけずにきれいにオフできます。
<用意するもの>
- ジェルリムーバー
- メタルプッシャー
- ファイル類
- コットン
- アルミホイル
- キューティクルオイル
うまく落とすコツ:サンディング〜リムーバーの使い方
ジェルネイルをスムーズに落とすには、サンディングとリムーバーの使い方を丁寧に行うことが大事です。まず、サンディングでは“削りすぎないこと”が最大のポイント。トップジェルの光沢が消える程度に、爪の表面を軽く削れば十分です。ファイルを強く押し当ててしまうと自爪まで傷つけてしまうため、力を抜いて一定方向に動かすようにしましょう。
準備ができたらリムーバーの出番です。コットンにはたっぷり含ませると浸透が早く、オフの時間短縮につながります。爪の上にコットンを乗せ、アルミホイルでしっかり密着させることが重要です。

コットンにジェルリムーバーを含ませて爪全体を覆い、アルミホイルを巻きつけます。
少し浮いた状態だとリムーバーが蒸発し、うまくふやけません。10〜15分ほど置いた後、ジェルが白くふやけたら成功のサイン。プッシャーで優しく押し上げれば、驚くほどスルッと取れます。焦らず、じっくり浸透させるのが上手に落とすコツです。
オフ後のケア:保湿で爪を守る習慣
ジェルネイルをオフしたあとは、爪と指先がいつもより乾燥しやすい状態になっています。リムーバーにはどうしても脱脂作用があり、爪表面の油分が失われやすいため、そのまま放置すると二枚爪や縦じわの原因になることも。オフ後のケアで最も大切なのは、しっかりとした保湿習慣です。
まずはキューティクルオイルを甘皮周りにたっぷりなじませ、円を描くように軽くマッサージします。血行が促され、爪が健やかに伸びやすくなる効果もあります。さらに、手全体にもハンドクリームを塗って上からフタをするよう保湿すると効果が長持ちします。
また、オフ直後の爪はデリケートなので、すぐにジェルを重ねず、数時間は自然な状態で休ませてあげるのもポイントです。定期的な保湿習慣を続けることで、爪はしなやかさを取り戻し、次のジェルもより美しく仕上がります。
ジェルネイル リペアのやり方(手直し)
浮きや剥がれの原因をチェック
ジェルネイルが途中で浮いたり剥がれたりする原因は、実は日常のちょっとしたクセや、施術時の小さなミスによって起こることが多いです。まずよくあるのが、甘皮処理不足。根元に薄く残った甘皮(ルースキューティクル)がジェルの密着を邪魔し、施術後数日で浮き始めることにつながります。
また、爪の表面に油分や水分が残っている状態でジェルを塗ってしまうのもNG。手を洗った直後に施術したり、クリームが爪に残っていたりすると、密着不良を起こしやすくなります。さらに、サンディング不足による“表面のツルツル感”が残っている場合も要注意。ジェルがしっかり引っかからず、端からペロッと剥がれやすくなります。
逆に削りすぎもトラブルのもとなので、適度な粗さを作ることが大切です。浮きが起きたときは原因を見直すことで、次の施術の持ちが大きく変わります。
リペアの下準備(甘皮・サンディング)
<用意するもの>
- メタルプッシャー
- ファイル類
- ベースコート
- カラージェル
- ジェルブラシ
- ジェルクレンザー
- コットン
- キューティクルオイル
- ジェルライト
ジェルネイルのリペアをきれいに仕上げるためには、まず“土台作り”が欠かせません。特に甘皮処理とサンディングは、ジェルの密着を左右する大事な工程です。浮きや欠けを直すときでも、ここを丁寧に行うかどうかで持ちの良さが大きく変わります。
甘皮処理では、プッシャーを使って優しく押し上げ、根元に残った薄い角質(ルースキューティクル)をしっかり取り除きます。これが残っていると、ジェルが乗りにくくなり、施術後すぐに根元から浮いてしまう原因に。強く押しすぎると爪を痛めるので、あくまで優しく丁寧に行うのがコツです。
次にサンディングでは、ジェルの浮いた部分だけでなく、周りのジェルとの段差も滑らかに整えます。ファイルは一定方向に軽い力で動かし、削りすぎないよう注意しましょう。最後にダストをしっかり払って油分除去をすれば、リペアの準備は万全。ここまできちんと整えることで、その後のジェルがぴたっと密着し、美しい仕上がりが長持ちします。
ベース〜トップまでの簡単リペア手順
浮きや欠けを直すリペアは、一見むずかしそうに見えますが、実は手順さえ覚えればとてもシンプルです。まず、リペアしたい部分の段差をサンディングでなだらかに整え、浮いているジェルはしっかり取り除きます。段差が残ったままジェルを重ねると、すぐにそこから再び浮きやすくなるため、この工程は丁寧に行うことがポイントです。
下準備ができたら、ベースジェルを薄く塗り、浮きがあった部分を中心に密着を取り戻します。このとき、甘皮や皮膚につけないように注意しながら、周りのジェルと自然につながるように広げるのがコツです。
硬化後は、カラージェルを必要な部分に重ねて、色の境目が見えないように薄く塗り広げます。全体にカラーを塗り直す必要はなく、部分的に補うだけで十分きれいに馴染みます。
最後にトップジェルで全体をコーティングし、爪先(エッジ)までしっかり覆えば完成。ツヤも戻り、サロンでお直ししたような自然な仕上がりになります。短時間でできるリペアは、忙しいときにも便利なセルフネイルの強い味方です。
まとめ
ジェルネイルをきれいに長持ちさせるためには、技術よりも“正しい手順”を守ることが大切です。まずは甘皮処理やサンディングなどの下準備を丁寧に行い、ベース・カラー・トップを薄く均一に重ねることで、仕上がりの美しさが格段に変わります。
オフするときは無理に剥がさず、リムーバーでしっかりふやかしてから優しく取り除くことで、自爪へのダメージを最小限に抑えることができます。また、少しの浮きや欠けならリペアで簡単に整えられるため、ネイルが長く楽しめるのもセルフの魅力。
正しいケア習慣を身につければ、自宅でもサロン級の仕上がりが叶います。ぜひ、あなたのネイル時間をもっと快適で楽しいものにしてみてください。
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